Windows 10 Creators Updateで追加されるセキュリティ機能たちEnterprise IT Kaleidoscope(3/3 ページ)

» 2017年01月10日 08時00分 公開
[山本雅史ITmedia]
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 最後に、Creatorsではアップグレード時のダウンロード容量が縮小され、インストール時間も短縮される。企業でのアップグレードの負担は小さくなる。また、ダウンロード容量が少なくなれば空き容量の少ないPCにもインストールできるようになるし、インストール時間が短くなれば、環境によっては今までのように数時間もかかるということがなくなる。

 このような変化は、企業におけるアップグレードにおいて大きなメリットになるだろう。ただし、ダウンロード容量を縮小に伴って差分アップデートになるため、毎月のセキュリティアップデートが行われていることが前提だ。もしセキュリティアップデートしていなければ、先にセキュリティアップデートをインストールして次にアップグレードするので、今までと同じように長い時間がかかる。

 この他としては、Creatorsに間に合うかどうか分からないが、MicrosoftはEdgeブラウザをコンテナ化によって仮想環境にし、別のプロセスで動かすことで、ブラウザを経由したマルウェアの侵入などを阻止する「Windows Defender Application Guard」の開発を進めている。もしEdge経由でマルウェアが侵入しても、コンテナ化されたEdgeの仮想環境を終了すれば、仮想環境内のマルウェアも消去されるため、OS環境に侵入することはない。Creatorsに間に合わなければ、2017年秋にリリースされる次のアップグレードで搭載されるだろう。

Windows Defender Application Guardでは、Windowsコンテナの機能を用いて、EdgeとEdgeが動作するOS環境を1つの実行環境としてパッキングされている

 3D機能ばかりが注目されているCreatorsだが、セキュリティや企業向けの機能も進化している。企業のIT管理者はそろそろWindows 10への移行を検討すべきだろう。その際には、Windows 10では毎年2回の大幅なアップグレードがあることを前提に導入を計画する。もちろんコンシューマーと同じタイミングでアップグレードはせず、Windows Update for Business(WUB)などの機能を使い、コンシューマーとは異なるスケジュール(数カ月遅れ)で検証しながら、アップグレードをコントロールしていく。かつてのWindowsのように、3〜4年周期で新バージョンがリリースされることない。これが「Windows as a Service」(WaaS)と同社が呼ぶアップグレードの考え方であり、OS自体が毎年進化していく。

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