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» 2017年03月07日 11時00分 公開

即席!3分で分かるITトレンド:コレ1枚で分かる「SDI」(改訂版) (2/2)

[斎藤昌義(ネットコマース株式会社),ITmedia]
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クラウド化で使い勝手を“電気のごとく”

 SDIは個々の企業で個別に構築することもできますが、それでは各企業が大きな設備投資を担わなくてはなりません。また、ITインフラについての技術力も必要です。ならば、このSDIを複数の企業で共用すればいいわけです。

 例えば私たちが電気を使うとき、発電所の設備や運用を気にすることなく、使った分の電気料金を支払うのと同じようにITインフラを使えれば、個々の企業が個別に大きな設備投資をしなくてもすみます。

 そこでSDIに、システム資源として使った分を計測し、課金する機能や容易に使いこなすためのメニューを用意したサービスが登場しています。それが、クラウドのサービスモデルの1つである「IaaS(Infrastructure as a Service)」です。この仕組みを「パブリッククラウド」のサービスとして提供しているのが、AWS(Amazon Web Services)の「Amazon EC2」や、NTTコミュニケーションズの「cloudn(クラウド・エヌ)」や「Enterprise Cloud」、IIJの「IIJ GIO(ジオ)」、IBMの「Bluemix Infrastructure」などです。

 もちろんお金を掛けてでも自社個別の構成や運用にこだわる企業は、独自にSDIを構築する場合もあります。このような仕組みが「プライベートクラウド」です。

 そして、そんな2つのSDIを組み合わせて、コストパフォーマンスの高いITインフラを構築しようというという使い方が、「ハイブリッドクラウド」です。

運用・管理を容易にするコンバージドインフラ

 ところで、SDIをプライベートクラウドとして構築するには、相応の技術力と運用・管理の負担が必要です。その課題を解決する手段として、「コンバージドシステム(統合システム)」と呼ばれる製品が各社から販売されています。

 コンバージドシステムは、SDI構築に必要なサーバやストレージなどのハードウェアを1つのラックに収め、仮想化ソフトウェアや運用管理ソフトウェアなどもあらかじめ導入した製品で、「購入したらすぐにSDIを実現できるシステム」です。ただ、導入は容易ですが構成が固定的で、容易に拡張できないという課題を抱えていました。

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 この課題を解決する製品として、「ハイパーコンバージドシステム」が、注目されています。ハイパーコンバージドシステムは、標準的なハードウェア構成がラックの棚2つ分(2U)のケースに収められています。仮想化や運用管理を担うソフトウェアはあらかじめ導入済みなので、設置してから使えるようになるまでの時間はわずかで済みます。

 また、必要に応じてケース単位で増設すれば、それらを1つのSDI環境として機能するように、搭載されているソフトウェアが自動で設定してくれます。これにより、導入や拡張に伴う作業負担が大幅に軽減されるようになりました。

 ITインフラをパブリッククラウドサービスで使うのか、あるいは、ハイパーコンバージドシステムとして所有するのか、さらにはホステッドプライベートクラウドとして使うのかは、企業の考え方次第です。いずれにしろ、ITインフラの選択肢が増えていることは間違えなく、経営方針や事業目的、コストパフォーマンスを考えて、その使い分けや組み合せを考えて行く必要があるでしょう。

著者プロフィル:斎藤昌義

book 未来を味方にする技術

 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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