乗務員の睡眠改善を支援するシステム、JR西日本が導入

センサーで乗務員の睡眠状態を計測し、睡眠改善を支援するシステムをJR西日本と富士通が共同開発。2017年度中に乗務員が所属する全職場に導入し、睡眠改善による乗務の質の向上とさらなる安全を目指す。

» 2017年04月20日 09時00分 公開
[ITmedia]

 西日本旅客鉄道(JR西日本)と富士通は4月19日、乗務員の睡眠改善をサポートするため、睡眠状態の可視化や、個々の乗務員に合った効果的な睡眠改善のアドバイスを行うシステムを開発したと発表した。

 JR西日本は、鉄道の安全確保に欠かせない乗務員の業務レベル向上に向け、睡眠改善に関する取り組みを行っている。その一環として、2014年度より富士通と共同で、より簡単かつ効果の高い睡眠改善を実現するツールの導入に向けた検討を進めてきたという。

 今回発表したシステムは、センサーで自動計測したデータから睡眠状態を可視化、分析し、睡眠改善のアドバイスを行う。

Photo 睡眠改善をサポートするシステムの概要

 乗務員が就寝時に装着したセンサーで、就床および起床時間、睡眠状態などの睡眠に関するデータを計測。専用端末(NFCリーダー)を接続したPCで計測データを読み取り、就床、入眠、睡眠、覚醒、起床といった睡眠状態を可視化する。

Photo 「睡眠状態の可視化」のシステム画面

 さらに、専門家監修による分析アルゴリズムで計測データを分析し、個々の乗務員に合った睡眠の質を改善するアドバイスを提示する。

Photo 「睡眠改善アドバイス」のシステム画面

 JR西日本は、新システムを2017年度中に乗務員が所属する全ての職場63カ所へ導入し、今後も睡眠改善の取り組みを推進する方針。一方、富士通は、今回の実証実験の結果を基に、2017年中に本システムの製品化を目指すとしている。

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