コレ1枚で分かる「IoTで変わるビジネスの本質」即席!3分で分かるITトレンド(2/2 ページ)

» 2017年05月16日 10時00分 公開
前のページへ 1|2       

IoTで変わるITビジネスの本質

 IoTでモノの価値はサービスへとシフトしていくと、SI事業者がIoTにビジネスチャンスを求めるとしたら、IoTを生かしたユーザーのサービス構築に貢献するか、あるいは、自らがサービスを構築し提供することになるでしょう。

Photo

 ユーザーのサービス構築に貢献するためには、IoTに固有の技術要件――例えばプロトコルやデバイスの特性を理解した上でのインフラの構築、データを収拾し分析するプラットフォームの提供、アプリケーション開発などが考えられます。

 ただし、インフラやプラットフォームについては、それを実現するためのさまざまなサービスやPaaSが数多く登場している現状を考えれば、それらをうまく組み合わせてアプリケーションサービスを構築することが主流になるかもしれません。

 さらに、アプリケーション開発は業務部門主体で行われます。なぜなら、それが事業の競争力に直結するからです。従って、ビジネスモデルの設計、適切な技術やサービスの目利きと選択、それらを組み合わせる技術といった「業務と技術を橋渡しするスキル」が求められるでしょう。

 また、このようなスキルを基に自らサービスを提供することも考えられます。このとき、特定のアプリケーションをサービスとして提供するか、あるいは先に挙げたIoTを使うためのプラットフォームを提供するかの選択があります。例えば長年ECサイトの構築を手掛けてきた企業であれば、RFIDやビーコン、あるいはデジタルサイネージなどをうまく利用できるECサイトを簡単に構築できるPaaS事業といった発想も生まれてくるかもしれません。

 IoTは、現実社会の出来事をデジタルデータに変換し、インターネットに送り出すプラットフォームです。インターネットには、膨大な現実社会のデジタルコピーが蓄積されていきます。これが、ビッグデータです。これを使って、現実社会の出来事を徹底してシミュレーションし、分析を繰り返して最適解を探ります。これを再び現実社会に情報の提供、機器の制御、モノに組み込まれたソフトウェアの更新といった方法でフィードバックします。そして、その結果を再びインターネットに送り出し、シミュレーションや分析を繰り返す――こんな仕組みが実現しつつあるのです。これを「サイバーフィジカルシステム(Cyber Physical System)」と呼んでいます。詳しくは、ブログ記事「【図解】コレ1枚でわかる『ITの最新トレンド』」をご覧ください。

著者プロフィール:斎藤昌義

book 未来を味方にする技術

 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ