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» 2017年06月26日 11時00分 公開

Weekly Memo:マイクロソフトが狙う“クラウドID経済圏”の獲得 (2/2)

[松岡功,ITmedia]
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ユーザーニーズに対応したクラウドIDセキュリティ

 IDベースのセキュリティ対策を実現する具体的なソリューションとしては、企業内システムにおけるID管理では圧倒的なシェアを占める「Active Directory(AD)」、3000以上のSaaSアプリケーションとシングルサインオンを実現しているクラウドベースの「Azure Active Directory」、そしてそれらを基盤として協調動作するセキュリティソリューション「Microsoft Enterprise Mobility+Security(EMS)」を中心とし、協賛企業の持つ製品やサービスと組み合わせながら、共同検証などを通じて新たなセキュリティ対策ソリューションを生み出し、普及活動を展開していく構えだ。

 ID-based Securityイニシアティブの設立メンバーは、主幹事をラック、事務局を日本マイクロソフトが担い、インテリジェンスビジネスソリューションズ、F5ネットワークスジャパン、サイバートラスト、Sansan、富士通、マネーフォワードが幹事として名を連ねている。今後はさらなる拡大に向けて、まずは2017年内に200社規模にしたい考えだ。

Photo 左から、日本マイクロソフト執行役常務ゼネラルビジネス担当の高橋明宏氏、インテリジェンスビジネスソリューションズ システムソリューション事業部サービスイノベーション統括部執行役員の水野康幸氏、F5ネットワークスジャパン代表執行役員社長の古舘正清氏、サイバートラスト代表取締役社長の眞柄泰利氏、ラックの西本氏、Sansan SanSan事業部事業企画マネジャーの柿崎充氏、富士通オファリング推進本部ワークスタイル変革オファリング統括部MSソリューション推進部部長の永山潤氏、マネーフォワードMFクラウドサービス開発本部経費サービスプロダクトオーナーの黒田直樹氏、日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 業務執行役員本部長の佐藤久氏

 以上が発表内容だが、この動きをどう見るか。

 まず、クラウド向けセキュリティにおいてID活用が非常に重要であることは異論がないだろう。その意味で、オンプレミスのADからID管理に注力してきたMicrosoftが強い問題意識を持ち、今回のようなコミュニティー形式で協賛企業とユーザーニーズにいち早く対応する姿勢は大いに評価されるだろう。

 一方で、IDはセキュリティだけでなく、さまざまなビジネスを生み出す“経済圏”とも解釈できる。だとすれば、オンプレミスに続いてクラウドでも“ID経済圏”の大半を獲得したいというMicrosoftの思惑も透けて見える。

 これに対し、日本マイクロソフトの高橋氏および佐藤氏は、「このコミュニティーはあくまでクラウド環境でのIDセキュリティを普及促進していくことが目的で、そのIDやクラウドサービスを限定しているわけではない。趣旨に賛同していただけるならば、競合する会社でも歓迎したい」と答えた。

 その意味では、Microsoftと同様にメガパブリッククラウドサービスを提供するAmazon Web Services(AWS)やGoogle、さらにソフトウェアで競合するOracleやSAPがこのコミュニティーに協賛することがあれば、というところだが、果たしてどうか。

 ただ、ビジネスの観点からいえば“クラウドID経済圏”を取りに行くのは当然のことだろう。しかも、それはパートナーやユーザーも合わせたエコシステムによって形成されるので、今回のようなコミュニティー形式でスタートするのは利口な作戦だと考える。今回の動きを機に、クラウドID経済圏を巡る勢力争いがどうなっていくのか、注目しておきたい。

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