AIですべてのSaaSがスマートに、先端技術が簡単に使えるOracle CloudOracle OpenWorld San Francisco 2017 Report(2/2 ページ)

» 2017年10月04日 12時00分 公開
[浅井英二ITmedia]
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ラリー・エリソン会長兼CTO

 明日水曜日が、買収に伴って今年から傘下に入ったNetSuiteの基調講演ということもあり、この日の午後の基調講演は、事実上のクロージングセッションとなった。オープニングに続き、2度目の基調講演となったエリソン氏は、サイバー攻撃から大切なデータを守るには、初日にぶち上げた自律型のデータベースと高度に自動化されたセキュリティサービスが必要だとし、膨大なログデータをクラウドで統合し、解析する業界初のクラウドセキュリティサービスを売り込んだ。

 「国家が関与した大規模なサイバー攻撃によって米国民の約半数の個人情報が流出、また、2000万人に上る連邦職員のデータも盗まれた。Amazon vs. Whole Foods Marketのような同業同士の戦いではない。もはやサイバー戦争だ。企業のリーダーは深刻に受け止め、優先度を上げてサイバーセキュリティ対策に取り組むべきだ」とエリソン氏。

米国はサイバー戦争に負け続けている

 この日、エリソン氏が披露したのは、高度に自動化されたサイバーセキュリティとマネジメントのためのスイート、「Oracle Identity Security Operations Center」と「Oracle Management Cloud」だ。いずれも既に提供されているものだが、さまざまな機器のログを管理するSIEM(Security Informaiton and Event Management)や、ユーザーとシステムの振る舞いを監視するUEBA(User and Entity Behavioral Analytics)の機能が強化された。オンプレミスやAmazonのクラウド環境も含む、すべてのログデータをクラウドに統合、正規化やカテゴリー化を行い、それらを機械学習させてコンテキストに沿った形で不正をリアルタイムに検知する。自律型データベースのOracle Database 18cとの組み合わせでは、修正パッチをすぐに適用、人手を介さず自動で脆弱性を塞ぐところまで行えるようになるという。

 「米国はサイバー戦争に負け続けている。企業リーダーはサイバー攻撃の脅威を深刻に受け取め、セキュリティ対策の優先順位を上げて取り組むべきだ。修正パッチが公開されても、次の定期メンテナンスまで放置しているようでは、大切なデータは守れない。今こそこれまでの戦略を見直すべき時であり、さらなる自動化が求められている」(エリソン氏)

(取材協力:日本オラクル)

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