Alphabetの気球ネット網、被災したプエルトリコにAT&Tと協力してLTE提供開始

Googleの親会社Alphabetの気球ネット網プロジェクト「Project Loon」がAT&Tと協力し、ハリケーンマリアの被害で携帯回線が壊滅状態のプエルトリコに30機の気球を使ったLTE回線の提供を開始した。当局からの許可後、2週間で実装した。

» 2017年10月21日 19時51分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Alphabet傘下のX部門が取り組む気球ネット網プロジェクト「Project Loon」は10月20日(現地時間)、米AT&Tとの協力により、大規模ハリケーンで携帯回線の8割以上が使えなくなっているプエルトリコへのLTE接続提供を開始したと発表した。

 loon 1 ネバダの基地からプエルトリコに向けて飛び立とうとする気球

 同プロジェクトはプエルトリコ政府や米連邦通信委員会(FCC)などに気球による緊急通信網提供を提案し、6日にFCCから気球を飛ばす許可を得た。それから約2週間でネットワークを開通させたことになる。

 プロジェクトを率いるX部門のアラスター・ウェストガース氏は公式ブログで「これほどの短期間でゼロからProject Loonのネット網を実装したのは初めてだ。(中略)ネバダ州のわれわれの基地からプエルトリコまで気球群を飛ばすことを可能にしてくれた全米およびプエルトリコ政府の航空当局および航空管制当局に感謝する」と語った。

 loon 2 プエルトリコに向かう気球

 Project Loonにより、最も被害の大きかった地域でLTE対応スマートフォンでのテキストメッセージやオンライン情報へのアクセスなどが可能になったとしている(通話はできない)。

 気球は機械学習採用のアルゴリズムでプエルトリコ上空の成層圏に留まるよう調整される。気球はだいたい100日間は滞空し、これまでの最長記録は190日という。

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