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» 2018年04月23日 11時00分 公開

Weekly Memo:情シスが“運用を手放す”第一歩に? オラクルが「自律型データベースクラウド」を出す理由 (2/2)

[松岡功,ITmedia]
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データベースクラウドにとって自律機能は必然

 ここで重要なキーワードの解説をしておこう。ほかでもない「Autonomous」(自律)という言葉である。分かりやすく示すために、「Automated」(自動)と比較すると、IT分野においてAutomated(自動)とは、対象となるシステムの管理はユーザー側で行う必要がある。一方、Autonomous(自律)はそれがクラウドならばクラウド自身で管理する形になる。従って、エラーをはじめ、人手やコストを削減できるようになる。Oracle Databaseの進化でいえば、AIを本格的に活用したことによって、Automated(自動)がAutonomous(自律)にグレードアップしたといえよう。

 さらに竹爪氏は会見で、今回のAutonomous Database Cloudを皮切りとした「Oracle Autonomous Cloud Platform」の今後の展開も、図3のように明らかにした。左端のData Managementが今回の発表で、一言でいえば「データ管理の自律化」を行う。そしてApplication Developmentは「アプリ開発の自律化」、Mobile & Botsは「対話の自律化」、App&Data Integrationは「連携の自律化」、Analyticsは「データ分析の自律化」、Security&Managementは「セキュリティ・運用管理の自律化」といった具合だ。

Photo 図3 Oracle Autonomous Cloud Platformのロードマップ

 Data Management以外の提供時期については明言しなかったが、そんなに遠い先ではないだろう。ここで押さえておきたいのは、この内容がオラクルのクラウドプラットフォームにおけるAutonomous(自律)、すなわちAI戦略を表しているということだ。

 それにしても、筆者にはいまひとつピンと来ないところがあった。今回のオラクルの発表は、エンタープライズIT市場動向の大きな節目となりそうだが、「何が」あるいは「どこが」という点が腹にストンと落ちなかったのだ。エリソン氏が言うように、AIを活用した世界初の自律型ミッションクリティカルデータベースがクラウドサービスとして登場したというのは、それだけで大ニュースなのだが……。

 もやもやしていた折り、日本オラクルの発表会見後に竹爪氏への単独取材の機会を得たので、そんな思いを率直にぶつけてみた。すると、同氏は次のように答えた。

 「なぜ、今回Autonomous Database Cloudが出てきたか。それは、これまで進化を遂げてきたOracle Databaseをクラウドサービスとして提供するためには、Autonomous(自律)の機能が必然だったからだ。これが最大のお客さま価値であるというのがオラクルの考えだ。私はこの点が一番のポイントだと認識している」

 同氏のこのコメントに、オラクルが「自律型データベースクラウド」を出す根本的な理由が表れているのではないか。しかもこの話は、データベースだけに収まらないかもしれない。AIを活用した自律化とクラウドは、おそらく“合わせ鏡”のようなものではないか。ようやく筆者のもやもやはストンと腹に落ちた。

 最後に、あらためて次回の501回目からまたWeekly Memoとして筆者なりのトピックをお届けしていきたい。読者諸氏に深く感謝を申し上げます。

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