持ち運ばれないノートPC、ぶっちゃけデスクトップを使えばいいのではーーデルが支える「働き方改革」

「働き方改革」の一環として、どこでも持ち運べるノートPCを社員に支給する企業は多いのではないか。一方、法人向けPCやモニターなどを手掛けるデルは、働き方改革のニーズにデスクトップを活用して応える姿勢に出ている。その理由とは。

» 2018年06月29日 08時00分 公開
[高木理紗ITmedia]

 デルは2018年6月27日、ビジネス向けディスプレイ「P」シリーズの新モデルとして、21.5型の「P2219H(2万980円)」、23型の「P2319H(2万1980円)」、23.8型の「P2419H(2万2980円)」、27型の「P2719H(3万480円)」を発売した。7月25日には、USB Type-C対応の23.8型「P2419HC(2万7980円)」が発売予定だ。(価格は全て税別)

photo デルが新たに発表したビジネス向けディスプレイ「P」シリーズ

 6月26日に開かれた記者会見で、同社は、2018年で25周年を迎える「OptiPlex」シリーズなどの法人向けPCの歩みを振り返りつつ、ユーザーの生産性や効率性向上など、「働き方改革」に取り組む企業に向けたディスプレイやデスクトップのデザインを紹介した。

photo 「P」シリーズ新モデルの1つである23.8型の「P2419HC」。USB Type-Cにも対応する

 例えば、「P」シリーズの新モデルは、台座の面積を従来製品の20%以上縮小し、横から見た際の厚さを最大で18%削減した。同社が第3社に委託して実施した調査の結果、ユーザーの50%以上が、PCを使う際の悩みに「デスク上でのスペース確保」を挙げたことから、ユーザーが小さな机でも十分な作業スペースを確保でき、かつ自分の位置とディスプレイの間に目が疲れない距離を確保しやすいデザインを採用したという。また、ディスプレイを縁取るプラスチックの部分を薄くし、複数のディスプレイを使う際につなぎ目を目立たせないなど、見やすさに配慮した。

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 Dell本社でプロダクトマーケティングコンサルタントを務めるビネイ・ジャヤクマール(Vinay Jayakumar)氏は、「これからの職場は、コラボレーションエリアや共用デスクが増え、その分個人用のスペースが縮小していく。そうした環境でユーザーの生産性を向上させるニーズに応えたい」と語った。

photo Dellでプロダクトマーケティングコンサルタントを務めるビネイ・ジャヤクマール(Vinay Jayakumar)氏

 また、2018年5月に新たなラインアップを発表した「OptiPlex」は、一部の機種で会議室ソリューションやポップアップカメラ、指紋認証マウスに対応するなど、「多様な働き方を支える」(フィールドマーケティングマネージャーの飯塚祐一氏)という。

 働き方改革の一環として、場所や時間の制約を受けずに仕事ができるよう、持ち運べるノートPCを支給する企業は多い。そんな中、デルはデスクトップPCでの生産性向上をアピールする構えだ。同社では、2017年に2800社余りを対象に実施した調査で、6割が「社内に持ち運ばないノートPCがある」と回答した点に注目したという。

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photo デルのフィールドマーケティングマネージャーである飯塚祐一氏

 飯塚氏は、「社内でPCを持ち運ぶ必要がないような業務もある。同じ値段であれば、ノートPCよりもデスクトップの方が性能が良いのは事実だ。働き方改革で生産性を上げたいなら、『社内で動かす必要がないPCをノートにして良いのか?』という疑問がある」と語る。

 「USB Type-Cや光学ドライブへの対応など、デスクトップが役立つ企業のニーズは意外と多い。今後はさまざまな機能やサービスで、働き方の多様化をサポートしていく」(飯塚氏)

photo デルのクライアント製品本部長を務める田中源太郎氏

 同社のクライアント製品本部長を務める田中源太郎氏は、法人向けPCの施策について、「日本市場の法人向けPCやワークステーション、ディスプレイのビジネスは年々成長している。今後はデスクトップへのニーズを持つ専門性の高い企業への販売も強化していきたい」と語った。

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