成功体験は「3か月」でつくることができる「3か月」の使い方で人生は変わる(2/2 ページ)

» 2018年07月05日 11時00分 公開
[佐々木大輔ITmedia]
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社長の言葉で「3カ月ルール」発動!

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 すると社長に「気持ちは分かるけれど、それが嫌ならやらなくて済む方法を考えてみたら?」と言われた。辞表を出しに社長のところに行ったのが、逆に社長から新たな提案をされてしまったわけだ。

 実は「こんな作業はプログラムを書いて自動化できるのでは」と考えていたこともあり、帰りに本屋に寄って、プログラミングやExcelのマクロに関する本を買って、取りあえず読んでみることにした。

 家に帰って、幾つか簡単なサンプルを作ってみると、「これは本気でやればできるかも」と思えてきた。

 それで、僕は「これまでやってきた一連の手作業を自動化したい」と社長に申し出てみた。「その代わり、3カ月間は他のことを一切させないでくれ」とも。一度辞めると言ったあとだったので、何だか僕も強気になっていた。

 3カ月のうち、最初の数週間はプログラミングの勉強をみっちりした。そのあと、試行錯誤を繰り返しながら本気でやり始めたら、データ集計と分析可能なかたちに整える作業が、3カ月後には自動化できたのだ(もちろん簡単ではなかったが)。

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 新しい仕組みが生まれたことで、それまでみんなが手作業で丸1日掛かっていた作業が、20〜30分で終わり、分析の仕事だけに時間を使えるようになった。

 その作業だけをやっている人が何十人もいる会社だったので、働き方にも大きな変化が起きた。誰も取り組まなかったテーマに集中したことで、僕はそのとき初めて「自分も社会の役に立てる」と強く実感することができたのだ。

 みんながやっているメジャーなスポーツや音楽などは、はっきり言って3カ月頑張ったところで天井が見えているものも多い。でも一方で、“3カ月頑張って取り組む人がいない”テーマが、世の中にはたくさんある。

 だからこそ、誰かが本気で取り組んだことのないニッチなテーマに、あえて3カ月注力してみる。その結果、世の中にインパクトを与える成果が生まれ、達成感が得られ、ときに自分でも気付かないうちに人生が変わっていくことがある。

●ポイント:

3カ月間「誰かが本気で取り組んだことのないテーマ」に取り組む

著者プロフィール:佐々木大輔(ささき・だいすけ)

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freee(フリー)創業者・代表取締役CEO。1980年東京生まれ。一橋大学商学部卒。大学在学中に派遣留学生として、ストックホルム経済大学(スウェーデン)に在籍。また、インターンをしていたインターネットリサーチ会社のインタースコープ(現・マクロミル)では、データ集計システムやマーケティングリサーチ手法を開発。卒業後は、博報堂でマーケティングプランナーとしてクライアントへのマーケティング戦略の立案に従事する。その後、未公開株式投資ファーム・CLSAキャピタルパートナーズでの投資アナリストを経て、ALBERTの執行役員CFOに就任。2008年にGoogleに参画。日本におけるマーケティング戦略立案、Googleマップのパートナーシップ開発や、日本およびアジア・パシフィック地域における中小企業向けのマーケティングの統括などを担当。中小企業セグメントにおけるアジアでのGoogleのビジネスおよび組織の拡大を推進した。


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