いないなら育ててみよう、セキュリティ人材 シスコの「学生向け人材育成プログラム」の中身(2/2 ページ)

» 2018年09月25日 07時00分 公開
[高橋睦美ITmedia]
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手を動かしながら学ぶ機会を得て「全体像が見えてきた」

 9月10日から14日にかけてもCCNA Cyber Opsが実施されており、その講義の模様が一部公開された。今回の研修には、理系だけでなく文系専攻も含め17人が参加し、TCP/IPの仕組みやネットワークに関する基礎知識、暗号技術やファイルのハッシュに関する知識を踏まえた実習に取り組んだ。

Photo 演習を受ける学生たち

 最終日の演習では、シスコシステムズのファイアウォール製品「Cisco Adaptive Security Appliance」(ASA)を使って、どのようにフィルターを書いて適用するか、その結果、パケットがどのようにドロップされるかといったことを、実際に手を動かしながら学んでいた。演習環境は米シスコシステムズの拠点に仮想マシンで用意され、リモート接続で利用する形だ。「Kali Linux」を用いてどのような攻撃手法があるかを学んだり、「Snort」で不正アクセスをどのように検知し、ブロックするかを学ぶカリキュラムも提供し、攻撃、防御の両面からの理解を深めるという。

 理系ではあるが専攻は無線通信で「サイバーセキュリティの知識についても知りたくて参加した」という学生のほか、法律や経済、経営といった他の分野を専攻しつつ、セキュリティという新たな知識をきちんと学びたいと考える学生も多数参加していた。中には「ITの知識を身につけようとサークルのサイト管理者を引き受けたはいいが、不正アクセスを受けてしまった」という学生も。結局、いったんデータを全て削除して再構築したというが、その経験をバネに、サイバーセキュリティについて勉強すべく参加したという。

 こうした学生らにとってCCNA Cyber Opsは、普段、何の気なしに使っているメールやWebの裏側で、どういったプロトコルが動いているか、全体像を捉える機会になったという。参加者の1人は「独学で勉強していたが、それではやはりイメージしづらいし、ラボのように実習できる機会もなかったので抽象的にしか分からなかった。演習では1つ1つ丁寧に解説してもらえた上、ラボで実際に触れることができ、どのように動いているかが見えやすかった」と述べていた。

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