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» 2018年09月28日 07時00分 公開

目からうろこの行政サポート活用術:かつて「亀田製菓」「京セラ」「ビックカメラ」も利用した! 政策金融機関「日本政策金融公庫」の活用法 (1/3)

「日本政策金融公庫(日本公庫)」は、政府100%出資の政策金融機関。これから創業する人や中小企業などへの事業資金融資や、経営課題に応じたコンサルティング、全国152支店の店舗網を生かしたマッチングや連携支援などを提供している。創業時や起業間もない時期に役立つ支援を中心にそのサービスを紹介しよう。

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 日本には、財務省が所轄する「銀行」「公庫」といった金融機関が4つある。一番有名なのは日本銀行だが、今回紹介したい日本政策金融公庫(以降、日本公庫)も、その1つである。

 金融公庫は株式会社だが、株式の100%を国が常時保有することが法律で定められているので、国の金融機関と考えてよい。国の金融機関なので、「利子が民間に比べ低い傾向にある」「担保が不要な融資もある」「創業間もない信用力の低い企業などに融資を行う」といった特徴があり、国民に優しいといわれている。

 中小企業金融公庫などを前身とする日本公庫は、中小企業への融資、創業への融資などが手厚い。IT関連の融資にも積極的で、今回はIT関連の融資と、最近はどのような市場に優先して融資をしているかを見てみよう。

IT投資で会社を活性化したいなら「IT活用促進資金」

 すでに創業し、ある程度事業を行っている中小企業がIT投資への融資を希望される場合にお勧めなのが、「IT活用促進資金」だ。

 簡単にいうと、主に「情報技術を活用して、業務方法、業務内容などの経営革新を図ろうとする」企業が利用でき、資金の使いみちは「設備資金」および「長期運転資金」とされている。これには、「電子計算機(ソフトウェアを含む)や周辺装置(電子計算機本体と組み合わせ使用するモデムなどの通信装置など)、端末装置(多機能情報端末類)、関連設備費などにかかる費用」が含まれる。

 特に難しい条件ではないようだ。自社をITで活性化されたい企業は、要注目だろう。

 ちなみに、この資金には、「国民生活事業」向けと「中小企業事業」向けの2種類があり、融資額は、前者が最大7200万円(うち運転資金4800万円)、後者が最大7億2000万円(うち運転資金2億5000万円)と、10倍も違う。

 この違いは、会社の規模と考えてよい。これから創業する人や、従業員5人以下の会社の場合は、国民生活事業向けの方を、それ以上の規模の企業は中小企業向けの方を利用する目安でいいだろう。

 例えばソフトウェア業や情報処理サービス業などで、資本金3億円以下または従業員300人以下の企業は、中小企業と判断されるので、中小企業事業向けの方を利用可能だ。ただ、ケースにもよるので詳しくは、日本公庫の窓口に確認してほしい。

 返済期間については、設備資金は20年以内(うち据え置き期間2年以内)、運転資金は7年以内(うち据え置き期間2年以内)となっている。

 実際の融資の相談は、基本的に、日本公庫の窓口に行く必要がある。窓口は、沖縄を除く都道府県にある日本公庫各支店にもう蹴らられている。日本公庫サイトのページ上部にある「店舗案内」から探してみるといいだろう。

IT投資でマーケティングを自動化し、通販サイトを活性化

 IT活用促進資金を利用して行われたIT活用の事例を紹介しておこう。

「マーケティングの自動化による優良顧客の獲得」 ツルガ(大阪府)

 ネジや工具を販売するツルガは、2008年に開始したネジの通販サイト「ネジクル」で、顧客のデータを自動的に収集・解析するマーケティングシステムを2012年に導入し、マーケティングの自動化に取り組んだ。同システムでは、顧客を「初回利用」「使い始め」「少しずつだが着実に使う」「高感度(クーポンなどへの反応が高い)」「優良顧客」といった独自のランクに分類し、それぞれに異なるアプローチを行う。この一連の仕組みの構築とサイトの刷新を含めたIT投資を行ったことで、導入後、2014年までの2年間で、成約に至るコンバージョン率は従来比で2倍になったとのこと。



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