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» 2018年12月20日 08時00分 公開

横河レンタ・リースの「Win10運用マスターへの道」(10):Windows 10の面倒な動作検証とバージョンアップ、横河レンタ・リースはこうして切り抜けた (1/3)

前回の記事でもお話しした通り、今回はいよいよ横河レンタ・リースがWindows 10の動作検証と新バージョンの配布をどのように進めているのかを紹介します。そのポイントは、動作検証も配布も「3つのグループ」に分けて行うことです。

[松尾太輔,ITmedia]
photo Windows 10のアップデートにまつわる動作確認では、社員にテストを協力してもらう「パイロット運用」が有効な手段だ(写真はイメージです)

 こんにちは。横河レンタ・リースで、ソフトウェアの製品開発を担当している松尾太輔です。

 これまで本連載でも触れてきた通り、Windows 10の短いアップデートサイクルに合わせて動作検証を行うためには、IT部門で完璧なテストを行わず、ITリテラシーが高い一部の社員を先行してアップデートし、フィードバックを得る「パイロット運用」が必須です。今回は、当社がどのようにパイロット運用を設計したのかを具体的にご説明します。

 横河レンタ・リースでは、現在のところスムーズにWindows 10への移行が進んでいます。アプリケーションへの対応と昨今のCPU供給不足で、予定よりも多少スケジュールが遅れた部分もありましたが、大きな問題は起きていません。

 前回の記事でお話ししましたが、アップデートへの対応については「経営陣のコミット」が前提条件になります。社員にとって、OSのアップデートは業務を妨げる“邪魔者”以外の何物でもないためです。

photo 大規模展開の前に、一定数のユーザーに先行してアップデートをかける「パイロット運用」の概要

「経営陣のコミット」がパイロット運用の前提条件

 PCのリプレースならば、「新しいPCが使える」という楽しみがあるかもしれませんが、OSのアップデートにそれはありません。操作感が変わり、新しいことを覚える必要も出てくるでしょう。その上、パイロット運用はさらにトラブル時の協力を求めるため、現場に相応の負荷がかかります。だからこそ「全社の生産性を高める重要な取り組み」という認識が重要になるのです。

 CEOをはじめとした当社の経営陣は、Windows 10への移行を単に「一時的なPCの入れ替え作業」としては捉えず、「従業員の生産性を継続的に向上させる環境を構築する手段」と位置付けました。ビジネス変革のスピードが高まり続ける今、Windows 10の技術革新のスピードに付いていくこともまた必要不可欠です。その方向性を会社の意思として明確にし、従業員に示しました。

 こうすることで、パイロット運用を円滑に進められるようになるとともに、問題が発生し、現場がその対応に追われた際の責任の所在が明確になります。IT部門の担当者が精神的な苦痛を感じることがないよう、「責任をIT部門の人たちが一身に背負うものではないこと」をはっきりと示しておきましょう。そうしないと、IT部門は結局テストをしようとします。隠れてテストを行うことが、サービス残業の温床になるかもしれません。

 さて、前置きが少し長くなりましたが、ここからは具体的なパイロット運用の方法を説明します。当社のパイロット運用は、大きく「2つのフェーズ」と「3つのユーザーグループ」で構成されます。

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