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» 2019年01月04日 11時00分 公開

長谷川秀樹のIT酒場放浪記:17歳の起業家はなぜ、レシート買い取りに注目したのか――ワンファイナンシャル創業者・CEO 山内奏人氏(前編) (3/4)

[やつづかえり,ITmedia]

米国より中国のプロダクトの方が進んでいる

長谷川: 今、中国の話が出ましたけど、山内さんの世代から見ると、中国と米国、どっちが進んでますか?

山内: 中国ですね。中国のプロダクトって、ビジネスモデルがものすごく綿密に練られていて、必ずサイエンスがあるんですよね。米国は、どちらかというと資本力で勝ち負けが決まるケースが多くて、再現性がない。もちろん中国でも資本力が重要な部分もあるんですけど、それ以前にものすごく計画されていて、インセンティブとかも非常に分かりやすい。それこそ、お金を振り分ける系のサービスが多いんですよ。

 僕が中国で一番好きなサービスは『愛情銀行』というアプリです。すごいネーミングですけど(笑)、カップルで使うアプリで、例えば1日1回電話をして、遠隔でキスをするとお金がもらえるっていう仕組みがあるんです。

Photo キスをするとお金がもらえる「愛情銀行」

長谷川: 電話をするアプリ?

山内: いわゆるカップル向けサービスなので、アルバムとかチャットとか、コミュニケーションのための機能が全部詰まってる感じですね。

長谷川: お金をもらえるっていうのは、誰が誰に払うんですか?

Photo

山内: サービス側からユーザーのカップルにお金が入ってくる。どうしてでできるかというと、彼らは1アクティブユーザーに対して、1日いくらお金が払える、ということをしっかり計算できていて、それをユーザーに振り分けてるんですよね。中国ではすでに、アクティブ率に対してお金を払う時代が来てるんです。

長谷川: つまりアプリ上に広告を出して、それのコンバージョン率も分かっているから、アクティブ率に対してどのくらいお金を渡しても大丈夫――というのも計算の上でお金がうまく回ってるということね。

山内: ソーシャルゲームとかはゲーム内通貨でログインボーナスがもらえたりするじゃないですか。あれが本当のお金で、かつ結構、高額でもらえる状況なんですよね。

 そういうのがものすごく面白いなと思って。中国のプロダクトを日本でウケるようにローカライズして作ったらどうなるのか……、みたいな思考実験が好きなんです。

長谷川: なるほどね。他に中国で注目しているプロダクトとかサービスはありますか?

山内: 企業と個人でダイレクトにお金のやりとりをしているのは、重要なキーだな、と思ってます。

 例えば5年とか10年前は、ステルスマーケティングが流行った時期もありましたが、今はインフルエンサーマーケティングに変わっていますよね。「どこかのPRですよ」というのを明確に宣言するようになったわけです。それは、僕らの日常の購買という領域でより透明性が求められるようになったと思っていて。その先には、クーポンみたいなインセンティブがリアルな現金に近づいていくんじゃないかなと考えています。

長谷川: クーポンから現金に。面白い発想ですね。

山内: 「何%割引」みたいなものより、キャッシュバックのような「いくらあげます」の方が、ユーザーもうれしいんじゃないか、という仮説はあります。

長谷川: 確かに。僕の日本人の友人が中国で会社をやってるんだけど、「ボーナスをWeChatPayで払う」とか言ってて、びっくりしたことがあります。いや〜、でも「米国より中国ですね」と言い切るのは、いいですね!

山内: ありがとうございます。

長谷川: 中国の情報はどうやって収集しているんですか?

山内: 基本的にはネットですね。実はまだ中国に行ったことなくて。

長谷川: マジですか? 今度行きましょうよ。

山内: ぜひぜひ、行きたいです!

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