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» 2019年01月04日 11時00分 公開

長谷川秀樹のIT酒場放浪記:17歳の起業家はなぜ、レシート買い取りに注目したのか――ワンファイナンシャル創業者・CEO 山内奏人氏(前編) (4/4)

[やつづかえり,ITmedia]
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日本のベンチャーは「資本の戦い」になっているのが寂しい

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長谷川: 山内さんは他のベンチャーのこともいろいろ耳に入ってくると思うんですけど、日本のベンチャー業界について何か思うことがありますか?

山内: 比較的、資本の戦いみたいになっちゃっていると思います。レシートを初日に25万枚買い取った僕が言うのもどうかと思いますが、「インパクトをどう出すか」みたいな、あるいは「予算をしっかりとっておいて、それをどれだけばらまいてユーザーを増やすか」みたいな、割とシンプルなゲームになりつつあるのがちょっと寂しいな、と思うんです。初期のインターネットらしさみたいなものが、いろんな意味でなくなってきているのかな、と思うんです。

長谷川: 単純に資本のパワーゲームに寄っちゃってるんじゃないかな、みたいな。

山内: プロダクトが良ければ伸びる、みたいな世界じゃなくなってしまっているのが、ちょっと寂しいところですね。

長谷川: 大企業の人と話すこともありますか?

山内: 時々あります。クライアントは大企業の方が多いので。

長谷川: ベンチャーの人たちと大企業の人たちと、それぞれ付き合っていてどういうところが違うと感じますか?

山内: どうしても、意思決定のスピードは違いますね。でも、本質的なところでは、あまり大きな違いはないかもしれないです。

長谷川: そうですか?

山内: スタートアップやベンチャー周りの人たちって、組織が小さいんですよ。だから、自分一人で決められる決裁権を持ってる人が多いですよね。一人で決められるから、割と感覚で意思決定している部分があるような気がします。でも、大企業の方々はしっかりステップを踏んで、みんなが納得するような形で意思決定をしていく。この意思決定のスタンスの違いというのはあるかなと。

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長谷川: みんなで意思決定すると、どんどん丸くなってとがった意見が通らない――という通説もありますけど。山内さんからすると、それはそれで良いも悪いもない、みたいな感じ?

山内: はい。どっちも良い点もあれば悪い点もあると思っています。例えばスタートアップだと、一人の責任者が間違った判断をしてしまったら、その時点でもうアウトで、致命的なエラーになりやすい。でも、大企業ではとがった意見にはなりにくいけど、めちゃくちゃ失敗することもなくなってくる。ある意味でリスクヘッジできている部分はあると思うんですよ。

長谷川: だとすると、大企業が新規ビジネスをやるというのは、やっぱり相反するのでうまくいかないですかね。

山内: そうですね、それは必ずあると思います。一人が全部決められるという状況を、別の箱を作るなり何なりして作らないと、新規ビジネスはなかなか立ち上がらないのかなと思います。

長谷川: 山内さん、話す内容が完全に大人ですね。歳、いくつでしたっけ?

山内: 今17歳です。

長谷川: 全然そんな気がしませんね(笑)

後編に続く)

ワンファイナンシャル CEO 山内奏人氏プロフィール

2001年に東京で生まれる。6歳の時に父親からPCをもらい、10歳から独学でプログラミングを始める。2012年には「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト」の15歳以下の部で最優秀賞を受賞。2016年にはウォルト(現ワンファイナンシャル)を創業。


メルカリ CIO 長谷川秀樹氏プロフィール

1994年、アクセンチュアに入社後、国内外の小売業の業務改革、コスト削減、マーケティング支援などに従事。2008年、東急ハンズに入社後、情報システム部門、物流部門、通販事業の責任者として改革を実施。デジタルマーケティング領域では、Twitter、Facebook、コレカモネットなどソーシャルメディアを推進。その後、オムニチャネル推進の責任者となり、東急ハンズアプリでは、次世代のお買い物体験への変革を推進している。2011年、同社、執行役員に昇進。2013年、ハンズラボを立ち上げ、代表取締役社長に就任。東急ハンズの執行役員と兼任。AWSの企業向けユーザー会(E-JAWS)のコミッティーメンバーでもある。2018年10月から現職。


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