日立は、統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」の最新版である「JP1 Version 12」を発表した。データ収集やRPAに関する新機能が加わる。
日立製作所(以下、日立)は2019年1月22日、統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」の最新版である「JP1 Version 12(以下、Version 12)」を発表した。同年1月23日に販売を開始する。
JP1は企業向け統合システム運用管理製品群だ。2019年で発売から25周年を迎える。ソフトウェアの稼働監視やITリソース管理、セキュリティ管理、レポート作成などの機能を備え、企業のIT運用を統合的に支援する。
Version 12では、企業のAI/RPA活用を見据えた2つの新製品が加わった。うち1つ目は、インテリジェント統合管理基盤「JP1/Integrated Management(JP1/IM)」の新バージョンである「JP1/Integrated Management 2(JP1/IM2)」だ。
JP1/IM2は、ニーズに応じて多様なIT環境から情報を収集し、関連性のある情報を判断してリアルタイムで可視化する。これまでJP1/IMが収集していたイベント情報に加え、運用環境を構成するシステムの稼働情報や構成情報などの他、インターネット上のオープンデータも収集可能になった。「IT部門の運用担当者」「経営者」など、ユーザーの立場や目的に応じた形で必要な情報を可視化し、業務プロセスを支援する。
これにより、例えばJP1の業務管理システム「JP1/Automatic Job Management System 3(JP1/AJS3)」と組み合わせることで、システムの一部で障害が発生した際も、データの表示を最適化できる。エンジニア向けの画面では、その障害が業務にもたらす影響を正確に可視化し、経営者やIT部門の責任者向けの画面では、全システムの稼働状況を俯瞰するなど、それぞれのニーズに応じたデータの表示が可能になるという。
2つ目は、RPAを含む業務プロセス自動化を支援する「JP1/Client Process Automation(JP1/CPA)」だ。運用管理が業務部門のIT部門にとって負担になったり、適切な管理がされていない、いわゆる「野良RPA」「野良ロボット」になったりといった課題も生んでいる。
JP1/CPAは、顧客のIT環境にRPAが導入されている場合、その製品が「いつ」「どの業務を」「どの順序で」自動化しているかといった情報を把握し、その作業スケジュールや作業内容を監視し、管理する。JP1/AJS3や業務カレンダーなどとも連携し、業務プロセス全体の作業効率向上を支援するという。
日立は、JP1/CPAおよびJP1/AJS3と連携可能な製品について、「現在は『Automation Anywhere』との連携は検証済み。今後は、導入数が多い『UiPath』『WinActor』『BizRobo!』を優先的に検証していく」としている。
Version 12では、既存の製品についてもさまざまな機能を強化した。例えばJP1/ASJ3では、クラウド環境において、システム停止の要因になるバックアップやスケールアップ、スケールダウン、設定変更などを運用中に実行可能にすることで、システムの計画停止時間を短縮できるようになるという。
価格は、JP1/IM2が60万円(税別)からで、JP1/CPAが9万8000円(税別)から。提供開始時期は、JP1/IM2が2019年1月31日、JP1/CPAが同年3月29日を予定している。
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