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» 2019年01月23日 07時00分 公開

人件費10%減の見込みも:クロネコヤマトのAI活用、倉庫スタッフの人員予測で「現場のカン超えた」 (1/2)

全国で配達トラック5万台を走らせ、24時間365日体制の物流を展開するヤマトホールディングス。そんな同社で「未来の競争力」を担うというデータ活用の実例とは?

[高木理紗,ITmedia]

 オンラインショッピングの普及や通信技術の革新などを背景に、競争が激化する物流業界。今、集配や倉庫でのピッキングなど、さまざまな場面でデータ活用が進んでいる。

 クロネコのマークでおなじみの宅配便事業をはじめ、物流を中心とした事業を国内外に展開するヤマトホールディングス(以下、ヤマト)も、そうした企業の一つだ。日々膨大な荷物を取り扱う同社では、一体どのようなデータ活用が行われているのだろうか?

 2018年10月、Datarobotの国内イベントにヤマトから参加した奥住智洋氏が、その取り組みについて語った。

ヤマトはどのようにデータを活用しているのか

photo ヤマトホールディングスでデジタルイノベーション推進室の室長を務める奥住智洋氏

 同社は全国で5万台以上のトラックを走らせ、個人の顧客から依頼された荷物の配送事業だけでなく、オンラインショッピングなどのニーズに応じた事業を展開している。例えば、注文に応じて顧客企業から預かった荷物を梱包(こんぽう)し、注文主に届ける「BIZ―ロジ事業」や、顧客企業の代わりにヤマトの運転手が届け先で商品の代金回収やカード決済を行う「フィナンシャル事業」などだ。

 こうした事業は、1974年から数々の刷新を繰り返した同社の基幹システム「NEKOシステム」をはじめ、各配送拠点や配達ドライバーの端末を通して「年間100億件ほどたまる(奥住氏)」というトランザクションデータの活用に支えられている。例えば、配達ドライバーが1日の最初に担当する荷物の伝票をスキャンすると、経路分析システムが配達先の住所や時間指定、道路の安全状況などに応じて最適な配達ルートを自動で導き出し、ドライバーの持つタブレットに集配順序を送信するという。

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 同社が2017年に設置し、奥住氏が室長を務める「デジタルイノベーション推進室」では、最先端の技術をいち早く活用し、サービスの向上や新事業の創出に役立てようとしている。奥住氏によれば、大手通販業者やコンビニエンスストアなどが次々と物流サービスに参入する中、自動運転やドローン、ブロックチェーンなどの先端技術をはじめ、これまで蓄積した膨大なデータの活用は、同社の競争力向上に大きな意味を持つという。

 「先端技術への対応は常に意識しています。例えば、次の100年も事業成長を遂げたければ、2025年の時点で世界中の誰よりも上手に自動運転技術を使いこなせていなければならないでしょう。(データ活用については)私はヤマトの全てのビジネスプロセスにアルゴリズムを差し込んで初めて、デジタルイノベーションが実現すると思っています」(奥住氏)

 ところが、そんな同社に立ちはだかった課題が、データサイエンティストやアナリストといった人材の不足だ。中途採用や社員の教育を進めているものの、同社に必要な人数には到底足りないという。

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