リクルートテクノロジーズの取り組みから分かるのは、内製化はゴールではないということだ。宮川さんは「内製化はあくまで手段。まずは、どんな課題を解決したいのかを精査すべきでしょう」と指摘する。リクルートの場合は、以下の3つの課題を解決するために内製化を進めている。
「『何となく内製化したら良くなりそうだから』という形で内製化すると、本当に得たいことが何も得られなくなる可能性が高い。手段ありきにしないところが重要です。組織体制的な観点で言えば、周りがきちんと理解することが大切でしょう。『内製化すれば効率や生産性が上がるんでしょ。社員2、3人いれば全部作れるんだよね』と期待されるようなパターンは危ないですね。そんな単純なものではないから、というところからスタートしないと。その相互理解さえあれば、うまく進められると思います」(宮川さん)
「エンジニアがビジネス的な価値を発揮すること」がゴールであって、内製化は手段でしかない。課題を解決するための試行錯誤の結果が、内製化やスクラム開発、エンジニアの育成であり、組織作りへとつながっていくのだ。エンジニアの価値を突き詰める同社の挑戦は、これからも続いていく。
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