「HoloLens 2」登場で何が変わる? Mixed Realityがビジネスにもたらす価値とはMicrosoft Focus(1/3 ページ)

日本マイクロソフトは、開発者向けイベント「de:code 2019」で日本で初めて「HoloLens 2」を公開した。筆者が実際に触れて分かったこととは。またMicrosoftがビジネス分野においてHoloLens 2で狙っていることとは。

» 2019年06月14日 07時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

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 日本マイクロソフトは、2019年5月29、30日の2日間、東京のザ・プリンスパークタワー東京で開発者向けイベント「de:code 2019」を開催し、日本で初めて「HoloLens 2」を公開した。展示会場にHoloLens 2体験コーナーも用意され、約2500人のde:code参加者全員の中から抽選で選ばれた100人が体験できた。

 de:codeの参加者全員が開発者ということもあり、全員がHoloLens 2を体験したいという前提で完全抽選制を採用。de:codeの参加証に書かれた抽選番号で当選を発表し、指定された時間にコーナーを訪れれば体験が可能になっていた。また、当選しても体験しない人がいた場合、ブース前でキャンセル待ちをすれば、落選した人も体験できるようになっていた。

 そのコーナーにおいて、筆者もHoloLens 2を体験する機会を得られた。

実際に使って分かった初代HoloLensとの違い

 実際にHoloLens 2を体験すると、まずは「初代のMicrosoft HoloLens」(初代HoloLens)と比べ装着が格段に良くなっていたことには驚いた。すっとかぶって、後ろのボタン型のダイヤルを回すと簡単に固定できる。また、カーボン素材の採用や重量バランスの改善により、かなり軽く感じるのも初代HoloLensとの違いだ。

HoloLens 2とHoloLens 2の後ろ姿

 筆者の場合、メガネをしているため、初代HoloLensを装着し、首を振って少しずれると本体の重みでメガネが下がってしまい見えにくくなることがあった。しかし、HoloLens 2の体験ではそうしたことがなかった。

 また、バイザーを上部に持ち上げられることから、本体を装着したまま肉眼で実際の状況を確認できるようになっている。新たに搭載されたアイトラッキングを正しく動作させるための初期設定は、表示される目標点に首を振らずに視線を移すだけで完了する手軽さだ。

 装着から利用までの動きは、かなりスムーズになっていたというのが体験を開始してから感じた最初の印象だ。実際に幾つかのアプリケーションを体験すると、さらに進化を感じられた。

 これまでのHoloLensの代表的な操作方法であったスタートメニューを開くときの「ブルーム」や、メニューの選択などに利用する「エアタップ」といった操作がなくなり、より直感的な操作ができるようになったのだ。例えば、表示されたメニューのボタンを直接押す操作や、表示される枠部分を指でつまむことで全体が拡大される操作などが可能である。これは、手の動きに加えて10本の指、全ての動きをトラッキングするように進化したことで可能になったものだ。

 両手を使って表示された物体を回転させるといった操作もしてみた。最初は前後の位置関係に苦労したものの、コツをつかむとスムーズに操作できるようになった。初代HoloLensは、エアタップがなかなかうまくいかなくて何度も練習してようやく慣れたが、HoloLens 2では、その操作が不要になってしまったのは少し残念である。

 また、アイトラッキングによる動作もスムーズだった。

 宝石を模したグラフィックが4隅に配置され、そこに視線を向けるとその宝石が拡大するというものだ。これも瞬時に認識されて、ストレスがない。また、「POP!」と叫ぶと、視線の先の宝石が破裂する。これはフレーム部分に内蔵されたマイクが音声を拾って、それに反応するものだ。さらに、視線を手のひらに移すと遠くにいたハミングバードが向かってきて、手のひらに乗ってくるというデモンストレーションも行われた。

手のひらの上にハミングバードが飛んでくるデモンストレーションの様子

 このように、幾つかのアプリケーションを体験してみると、アイトラッキングなどの新機能によってHoloLens 2の活用範囲がさらに広がると確かに期待できるのだった。

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