プライバシーを秘匿したまま高速でゲノム解析 NECと大阪大学院の研究グループが発表

大阪大学のゲノム解析アプリケーションにNECの秘密計算手法を適用、個人情報であるゲノムを暗号化したまま解析する技術の有効性を確認した。ゲノム解析の計算速度やツールとしての実装のしやすさも実用レベルにあり、ゲノム情報に基づいた、効果的な薬の開発に利用できるという。

» 2019年07月25日 07時00分 公開
[ITmedia]

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 NECと大阪大学大学院医学系研究科の中谷明弘特任教授、松村泰志教授らによるゲノム情報学共同研究講座のグループは2019年7月23日、「プライバシー侵害のリスクを抑えたゲノム解析」に関する複数の技術の有効性を確認したと発表した。

実証の概要図 実証の概要図(出典:NEC)

 近年、さまざまな疾病に対して適切な薬を開発するため、ゲノムと疾病の関係を解析する研究が活発化している。しかし、ゲノムと疾病に関する情報は、改正個人情報保護法における「要配慮個人情報(旧機微情報)」にあたるため、複数の機関が保有する情報の横断的共有が難しかった。そこで、情報を暗号化したままで演算処理できる「秘密計算」の適用が期待されていたが、処理が複雑で計算速度が極端に遅いことや、実用レベルでの実装が難しいことが課題となっていた。

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