複雑化する「Windows 10」の更新リリースに、出口はあるのか横河レンタ・リースの「Win10運用マスターへの道」(15)(1/3 ページ)

「19H2の前に20H1が来た」「1803の次は必ず1903。それから19H2」――以前のWindows OSユーザーには耳慣れないこれらの数字は、情シスを悩ませ、社内中のPCに関る“大問題”。複雑化するWindows 10の更新について解説します。

» 2019年08月30日 07時00分 公開
[松尾太輔ITmedia]

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 こんにちは。横河レンタ・リースで、ソフトウェアの製品開発を担当している松尾太輔です。

 「Windows 10」導入や運用の話題を扱う本連載。今回からは、今後のPC運用を変えていく最新トレンド「Device as a Service」について、数回にわたって掘り下げていこう――と思っていました。が、次回のFeature Updateと思われていた「19H2(2019年秋版)」に新しい動きがありましたので、そちらを解説しながら、Device as a Serviceの話に入っていきたいと思います。

 以前、Windows 10の最新機能を使えるプログラム「Windows 10 Insider Preview ビルド(以下、Insider Preview)」を紹介しました。そのオプションのうち、高頻度で新機能や改訂部分を試せる「Fast Ring」に、このほどWindows 10の新バージョン「20H1」が投入されました。しかも、本来ならその前に投入されるはずの「19H2」よりも先に、です。

「最新バージョン? 一番数字が大きいやつに決まってるでしょ」と思ったら大間違い

 ここまで読んで「19H2? 20H1? 何それ?」と思われた方がいるかもしれません。これは、MicrosoftがWindows 10のアップデートをバージョンごとに区別する際の、新しい呼び方です。同社は、

  • 春のリリース(年前半)=yyH1
  • 秋のリリース(年後半)=yyH2

 という呼び方のルールを定めています。例えば、2019年5月に発表された「1903」バージョンは、新しい呼び方なら「19H1」になるはずでしたが、修正が間に合わなかったようです。ちなみに、古い呼び方のまま行けば、新しいFeature Updateは「Windows 10 バージョン2003」という古いような新しいような(?)呼び方になる予定でしたが、それはかなわず残念な気持ちになった人は私だけでしょうか……。

どっちが先で、どっちが後…? 複雑化する「Windows 10」の更新サイクル

 さて、この20H1が先に投入された今、19H2はどうなるのでしょうか? この点について、2019年7月1日に、Microsoftがついにブログでその内容を公開しました。

 同ブログによれば、19H2は「累積更新(Cumulative Update)」、つまり以前配布された修正を含んだパッチとしてリリースされます。20H1が大きな変更であることから、「プレビュー期間を長く確保するため、19H2は小さな変更にとどめるだろう」というのが大方の予想で、「累積更新になる」とうわさする声もありました。ただ、「まさか本当にそうなるとは思わなかった」というのが、私の正直な感想です。

 「Windows 10 Enterprise」および「Windows 10 Education」は、19H2バージョンのみ、30カ月のサポートを提供します。そのため、1903(19H1)バージョンの場合、最大36カ月間(3年間)はかかる「フルビルドアップデート(従来のFeature Update=大型アップデート)」を行う必要がなくなります。(注)

(注)「Windows 10 Home」「Windows 10 Pro」の場合、フルビルドアップデートに最大24カ月間(2年間)かかります。

(参考記事)

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