量子現象に着想を得た富士通の「デジタルアニーラ」、証券ポートフォリオの最適化で成果

ドイツのMain Incubatorは、量子現象に着想を得た富士通の計算機アーキテクチャ「デジタルアニーラ」の実証を実施した。自社のローンポートフォリオの最適化について、有益な結果を得たという。

» 2019年09月03日 07時00分 公開
[ITmedia]

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 富士通は2019年8月30日、ドイツのMain Incubatorが計算機アーキテクチャ「デジタルアニーラ」を活用して、カーリース契約の証券に関する自社ローンポートフォリオの最適化を実証し、有益な結果を得たと発表した。

 量子現象に着想を得た、デジタル回路によるデジタルアニーラ 量子現象に着想を得た、デジタル回路によるデジタルアニーラ(出典:富士通)

 富士通によると、自動車メーカーは流動資産の管理を最適化するため、カーリース契約を証券化して投資家に売却し、投資家はこれらの証券をリスクなどの特性ごとにカテゴリー分けして銀行などと取引するという。Main Incubatorがデジタルアニーラで導き出したのは、こうした証券の最適な組み合わせだ。同社はポートフォリオの中から、特にカーリース資産の最適化に重点を置き、金額の制限やリスクを伴う特定資産の比率制限などを検証した。

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