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» 2019年09月09日 14時00分 公開

Weekly Memo:NTTがグループを挙げてRPA事業に注力する理由 (1/2)

NTTがグループを挙げてRPA事業に注力し始めた。RPA市場が活発化していることもあるが、同社の狙いはそれだけではないようだ。

[松岡功,ITmedia]

競合製品にないNTTグループのRPAの強みとは

 「5年前から提供してきた『WinActor』が、ここ1年ほどで急速に普及拡大してきた。そこで、今後はNTTグループを挙げて一層注力していくことをお伝えしたい」――。日本電信電話(NTT) 代表取締役副社長の島田明氏は、NTTグループが先頃開いたRPA(ロボティックプロセスオートメーション)事業戦略についての記者会見でこう切り出した。

Photo 会見に臨むNTT代表取締役副社長の島田明氏

 WinActorは、NTTグループが提供するRPAソフトウェアの戦略商品である。これまでは営業主体のNTTデータが前面に出てプロモーションしてきた印象があるが、今回の会見はNTTグループとして開き、NTTの島田氏が説明に立った。こうした形の会見は、筆者の記憶では初めてのことだ。冒頭の発言には、その意気込みが込められている。

 島田氏はまず、WinActorの導入社数の推移について図1を示しながら説明した。冒頭の発言にもあるように、2018年度から急速に伸びて3000社を超え、2019年度は一気に5000社に達する勢いだという。さらに、「RPAの国内市場規模は現在約800億円と推定される中で、WinActorは35%超のシェアを占めていると考えている」(島田氏)と力を込めた。

Photo 図1 WinActorの導入社数の推移

 これは、「国内RPA市場にこのところ外資系ベンダーの有力商品が続々と参入して激戦区となっている中で、WinActorが大きなシェアを持ち、しかも伸長し続けていることをアピールするためのメッセージ」との印象を受けた。

 では、WinActorの強みはどこにあるのか。島田氏は、「ソフトウェアスキルなしでも利用可能」と「ユーザーニーズにフレキシブルに対応」といった2つのポイントを挙げた。(図2)

Photo 図2 WinActorの強み

 前者については、社員自らが改善シナリオを作成したり、改善マインドが組織的に定着したりすることを挙げている。そして、WinActor利用者はプログラム経験のない人が52%を占めると島田氏は強調した。

 これは何を意味するのか。島田氏は「プログラムが組めなくても現場の人間だけで改善を進められるWinActorは、これまでボトムアップの改善を得意としてきた日本企業に非常にマッチしている。これこそが、このところ相次いで日本市場に参入してきた外資系ベンダーのRPA商品にない、WinActorならではの強みだと自負している」と説明した。

 また、後者については、オンプレミスとクラウドのどちらでも使用できる点や、AI-OCR(人工知能が搭載されたOCR)、ERPとの連携も可能な点などを挙げている。

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