「もったいない星人」の暗躍で会社が病む 迫りくる2025年の崖RPA化のその前に、今日からはじめる業務可視化(2/2 ページ)

» 2019年09月20日 08時00分 公開
[池邉竜一キューアンドエーワークス]
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業務の可視化と見える化を混合していませんか?

 この解決策として有効な手だては、業務の可視化を通じて、社内で構成されるネットワーク周辺の業務を洗い出すことです。

 ちなみに蛇足でありますが、最近、業務の「可視化」と「見える化」の違いが混合されて述べられているケースが散見されます。

 あくまでも業務の「見える化」は、今ある状況が「見えた(書き起こした)」だけのことであり、別の言い方をすれば、静的に業務が「見えた」だけのことです。つまり、見えてきただけでは、ただの絵と同じで、どこを改善して良いのか分かりません。一方で「業務の可視化」とは、業務の流れをつかむ改善活動と言えます。

 図1に示したように、オフィス業務は、情報をインプットし、アウトプットするまでの一連の作業と捉えられます。帳票作成の業務であれば、原始帳票などに情報を入力し(インプット)、それをシステムにデータ入力してデータベース化した後、必要であれば他のシステムに転記を繰り返して、帳票を出力(アウトプット)します。つまり業務を可視化する際は、「ドキュメントや原始帳票への記入」というインプットを起点に業務の流れを動的に把握し、「まずは、それを止められないか?」という着眼点で業務の改善に取り掛かります。

 それだけでなく「可視化」は、仮にその業務が止められない場合に、簡素化や方法変更、分担変更など他の手だてを考える機能も内包していると言えます。

図1 オフィス業務の情報フロー(出典:キューアンドエーワークス)

もったいない星人は、サブスクモデルがお嫌い!?

 さて本題に戻りますが、まず「業務の可視化」を通じて、業務全体の棚卸しを行い、「PC端末のロースペック」「基幹システムの老朽化」「サーバOSの新旧」が影響することでおこる業務の非効率(ボトルネック)はないのか、インプットを中心に可視化することで改善ポイントをあぶりだします。それが完了すれば、周辺でかかる人件費を勘案しやすくなります。これによって現状の非効率を改善することで、最新のインフラ環境の整備に投資してもおつりがくる状態であることを経営・財務経理部門に知らしめることが可能です。

 これからますます変化の激しい時代を生き抜くために、一元の投資で止まらず、いつでも新バージョンにアップデートできるようなレンタル契約やサブスクリプションモデル(毎月請求タイプ)のサービスを取り入れて、「もったいない星人」の邪魔が入らない状況を構築してはいかがでしょうか?

 何はともあれ、DX人材の不足を嘆く前に、まずは、可視化を通じて、社内の「もったいない星人」による邪魔を一掃しましょう!

企業紹介:キューアンドエーワークス

RPA(Robotic Process Automation)導入支援事業ならびに、人材派遣・技術者派遣、BPO・アウトソーシング、さらにRPAの諸スキルを持ちえたヒューマンリソースとAI・ロボットを組み合わせたデータインテリジェンスコンサルティングなど、企業ニーズに合わせた幅広いサービスを展開する。2015年4月に第1期「優良派遣事業者」に認定される。

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