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» 2019年09月26日 11時00分 公開

横河レンタ・リースの「Win10運用マスターへの道」(16):Windows 10の運用が面倒過ぎる! と怒る前に、企業が知るべき「WaaS」の現実 (1/3)

Windows 7からWindows 10に代替わりした途端、配信される大量の更新データや勝手の違う作業負担に頭を抱える――。多くの企業で発生する困った事態の理解に必要な鍵こそ、Microsoftが提唱する「Windows as a Service」の定義と、その前提条件が生み出す「ズレ」なのです。

[松尾太輔,ITmedia]

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 こんにちは。横河レンタ・リースで、ソフトウェアの製品開発を担当している松尾太輔です。

 今回から、数回にわたって「Device as a Service」を掘り下げていきます。

 最初に申し上げておきますが、既にPCベンダーやレンタル会社、ディストリビューターなどから「Device as a Service」や「PC as a Service」という名称のサービスは、幾つかリリースされています。しかし、これから私がご説明する「Device as a Service」は、それらとは違うものと考えてください。

 「Device as a Service」の定義は、まだ業界としても定まっていません。単に「PCを月額で提供する」「運用に必要なソフトウェアやサービスが含まれている(パッケージ)」というだけのものは、真の「Device as a Service」ではないと私は考えています。少々厳しい物言いで恐縮ですが、それらには「as a Service」としての要件を満たしていないものが多いからです。

ただ運用サービスを含んでいるだけで「as a Service」だと思ってはいけません(画像はイメージです)

 そして「as a Service」といえば、私たちを今まさに苦しめている「Windows as a Service」(以下、WaaS)。これがなぜ「as a Service」なのか、そしてその問題はどこに本質があるのか――。ここを理解することは、とても重要です。なぜならば、WaaSは「Device as a Service」への布石、と私は考えているからです。

Windows as a Serviceが今の形になった理由と、その方向性

 セキュリティと生産性の向上と変革を絶え間なく私たちに求めるWaaS。運用自体をがらりと変えてしまうため、苦しんでいるIT管理者も多くいらっしゃると思います。

 そもそも「as a Service」って、運用が楽になるということじゃないの?――そう疑問に思う人も多いでしょう。SaaS(Software as a Service)と同じく、クラウドからサービスとして提供される点を生かし、サーバなどのアップデートやリプレースといった、いわゆるライフサイクルマネジメント(LCM)という運用から解放される、それが「as a Service」じゃないかと。実は、今私たちがWaaSに苦しさを感じる原因は「本来なら運用の必要がないWaaSを運用しようとしているから」なのです。

 実はWaaSは、本来の「as a Service」と同じように、運用が必要ないものなのです。

 この連載で何度も触れてきたように、WaaSにおけるMicrosoftの目的は明確です。加速するスマートデバイスのイノベーションに、何としても追い付きたい。追い越したい。従来、モノとして販売されていたWindowsは、流通や管理者の負担から5〜10年というサイクルで新しいバージョンが開発、提供されてきましたが、このサイクルを6〜18カ月にしたいわけです。

 一般的なSaaSであれば、システムの大部分がクラウドにあり、ベンダー側は好きなタイミングでアップデートできます。PCやスマホにインストールして動くクライアント側のアプリもありますが、スマホであれば常に自動で最新バージョンにアップデートされます。

 このように、物理的なサーバをなくすことでモノとしての流通(買い直し)を不要にし、自動でアップデートを提供することで、従来なら管理者が行っていたアップデートの計画や作業の必要をなくすのがSaaSです。そして、これが「as a Service」の基本的な形です。

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