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» 2019年11月19日 11時18分 公開

今後1年間の変化にも言及:ヤフーとLINEが経営統合 その“切実な動機”と法人向けサービスへの影響は? (1/2)

ZホールディングスとLINEは、2019年12月をめどに、法的拘束力のある資本提携に関する最終契約の締結を目指す。マーケティング事業や集客、新規事業開発などで、経営統合による相乗効果を図るというが、競合関係にあるサービスや、多数の自治体や企業に展開するサービスの行方はどうなるのか。

[ITmedia]

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 ヤフーの親会社であるZホールディングス(ZHD)とLINEは2019年11月18日、経営統合することを明らかにした。同日開かれた両社の取締役会で、資本提携に関する基本合意書を締結することをそれぞれ決議した。2019年12月をめどに、法的拘束力のある最終契約の締結を目指し、2020年10月ごろまでに提携の完了を目指す。経営統合後の上場統合会社はZHD。

 今後、ZHDの親会社であるソフトバンクとLINEの親会社である韓国のNAVER Corporation(NAVER)がLINE株の共同公開買い付けを行う予定で、2019年12月にはヤフー、LINE、ソフトバンク、NAVERの4社の間で、ヤフーとLINEの本格的な経営統合に向けた契約が締結される見込みだ。

 2019年11月18日夕方に行われた記者会見には、大勢の報道陣が詰めかけた。今回の統合により、LINEはNAVERの傘下を離れ、ZHDの親会社であるソフトバンクグループに入ることになる。報道陣からは今回の統合について「(ソフトバンクグループを率いる)孫正義社長の意向が背景にあるのでは」との質問が飛んだが、会見に登壇したZHDのLINEの出澤剛社長とヤフーの川邊健太郎社長は、その臆測をきっぱりと否定した。

 「(出澤氏とは)もともと定期的にお互いに情報交換する中で、自分がLINEのヘビーユーザーであることから『将来何か大きいことを一緒にやりたい』と毎年のようにお願いしていた。孫さんに話をしたのは、実際に統合の話が本格化してからだ」(川邊氏)

2019年11月18日、経営統合に向けた基本合意締結の記者会見に登壇したヤフーの川邊健太郎代表取締役CEO(左)とLINEの出澤剛代表取締役CEO(右)。川邊氏はヤフーの親会社ZHDの代表取締役CEOでもある。

数字を見ても明らか――経営統合を後押しした“2つの危機感”とは

 川邊氏と出澤氏によれば、統合を後押ししたのは両氏が共通して日本のIT業界に持つ“2つの危機感”だという。

 1つ目は、北米から全世界に影響力を持つGAFA、中国のアリババやファーウェイなどに代表される「グローバルテックジャイアント」がますます資本や人材を取り込んで成長する中、日本のIT企業が明らかに後れを取る現状だ。

 「LINEとヤフーの研究開発費を合わせても、こうした企業に桁違いの差をつけられている。この差は今後、日本の国力や文化の多様性にも影響をもたらすだろう」(川邊氏)

LINEとヤフーの統合会社と、全世界の競合を比較したという図。両社を合わせた研究開発費さえ、他社に遠く及ばないという。

 2つ目の危機感は、国内にある複数の社会課題だという。

 「老人口の減少、生産性の向上、自然災害への対処など、ITはもっといろいろな形で役立てるはず。2019年は台風の影響で大勢の人が被災したが、例えばヤフー防災アプリにLINEアカウントの地方自治体アカウントが連携すれば、もっと多くの人を救えるはずだ。なのにそれができていない。自分たちの至らなさから来る危機感があった」(川邊氏)

統合後の注力分野は、AIを核に展開――その展望は

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