テレワークで生産性を維持する方法――どのような状況下でも、社員が最高のパフォーマンスを発揮するためにCitrix Overseas Report(1/2 ページ)

新型感染症の感染拡大のなか、世界中で働き方が大きく変化しています。全社テレワーク体制を敷いた当初、多くの社員が「最初の1週間」に苦しい思いをしていたように見えました。世界的な緊急事態ともいえる現状に当社のテクニカルサポートチームがどのように対処して事業を継続してきたか、中国と日本における対応事例をご紹介いたします。

» 2020年04月14日 07時00分 公開
[尾羽沢 功ITmedia]

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 当社がテクニカルサポートチームの全メンバーによるテレワークの取り組みを始めたのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に注目を集める少し前のことでした。

 われわれは2019年の秋に複数のエンジニアがインフルエンザに罹患(りかん)したことをきっかけに、リスクを分散させるため、それまで選択肢の一つとしてきたテレワークの体制を見直してきました。しかし今回、パンデミックに伴い実際に全社的なテレワークを敷いたところ、さまざまな課題が浮き彫りになりました。

従業員の安全を確保する

 中国オフィスでは、新しい感染症が中国でニュースになった当初から状況を注視してきました。グローバルセキュリティリスクサービス部門や人事部門、現地の政府機関から感染症に関する情報を受け、チーム内で連携を取って「どこからでも仕事ができる状態」を実現するポリシーの拡張に着手。政府の主導による隔離措置や渡航禁止令の発令から24時間以内に、中国オフィスの全社員がテレワークを行える環境を整えました。

 具体的には、自社のデジタルワークスペースソリューションを介して同国内にいる80名以上の従業員が社内システムに入り、落ち着いて作業ができる環境を構築しました。また「顧客への優れたサービスの提供」というミッションの遂行を、自宅にいながら安全に実現できるようサポートしました。

 さらにグローバルセキュリティ部門やWHO(世界保健機関)、現地当局からの続報に基づき、主要なサポートセンターが置かれている日本まで、このポリシーを拡張しました。

テクニカルサポート部をテレワーク環境で継続、サービス品質を維持

 従業員の安全が最重要事項であるのと同時に、会社にとっては事業の継続性とサービス品質の確実な維持も欠かせない要素です。自然災害や公衆衛生上の非常事態があっても、テクニカルサポートの品質は落とせません。各国に散らばるチームをまとめあげてグローバルに連携の取れたテクニカルサポート部門を編成し、運営・管理することは容易ではありませんが、顧客満足度の維持や向上には専門チームによる優れたサポートが欠かせません。

 そこで何回かのテストを通じてネットワークの信頼性を確保し、電話や音声、そして「Citrix Virtual Apps and Desktops」や「Citrix Workspace」といったリモート用のソリューションを利用する環境を構築しました。さらに帯域幅の問題を解消するため、IT部門と連携してサービス専用の第2VPN接続を構成しました。

メンバーの心身の健康を保ち、従業員エンゲージメントを高める

 業務環境の構築と同時に、チームメンバーの心身の健康を保つ取り組みも実施。具体的には、人事部門と連携して全社員およびその家族、親戚が医療機関を利用できるよう手配しました。

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