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» 2020年05月12日 07時00分 公開

半径300メートルのIT:いまさら聞けないマイナンバーカードの意義 通知カードとの違いと「妙に不便」な理由について (1/2)

給付金関連の手続きで(ようやく)マイナンバーの必要性について認識が広がりつつあります。一方で「オンライン申請の準備のために窓口が大混雑」といった困った事態も起きています。マイナンバーは本来、さまざまな手続きをスマート化するためのシステムのはずなのですが……この何とも言えない不便さの理由とは、一体何なのでしょうか?

[宮田健,ITmedia]

 先日、久しぶりに「マイナンバーカード」に関する処理を行ってきました。本コラムで紹介したのは4年前の2016年のこと。時間がかかるもののさほど手間なく申請、取得できた記憶があります。しかしパスワード関連については、いまだにモヤモヤとした印象が残っています。

「マイナンバーカード」のちょっと変わった申請方法を試してみた (1/2) - ITmedia エンタープライズ

 今回済ませた処理は、マイナンバーカードの最重要項目「電子証明書の更新」です。わざわざ窓口に行って手続きをする必要があり、現在の状況を鑑みれば「この程度のものこそ、オンライン処理に対応してくれ……」と思うかもしれません。しかし筆者はマイナンバーカードの意義からすれば、これこそ自治体が対面で実施するべき処理だと考えています。

(ようやく)注目を集めるマイナンバー、オンライン申請の「罠」とは

 現在、日本国民には一人一人に固有の「個人番号」(マイナンバー)が割り当てられています。自分のマイナンバーは2015年10月以降に各世帯へ届いているはずの「マイナンバー通知カード」で確認できます。ただし、これはマイナンバーカードとは別のものです。

 通知カードとマイナンバーカードの違いは何でしょうか。まず、通知カードは単に「あなたのマイナンバー12桁をお知らせする」もの。一方マイナンバーカードは、12桁のマイナンバーに加えて顔写真や生年月日などが印字してあり、本人確認書類として使用できるものです。

 最近、マイナンバーカードが(ようやく)注目を集めています。その理由は「特別定額給付金」のオンライン申請。つまり新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に伴う経済的な問題を補償するため、政府が各世帯に給付する「例の10万円」を受け取るための手続きです。

 特別定額給付金は郵送かオンラインで申請できますが、郵送申請には煩雑な手続きを伴い、ほとんどの自治体ではオンライン申請の方が早く入金されているようです。このコラムを書いている時点で給付金の受け取りが済んでいるのは、おそらくほぼ全員オンラインで申請した方ではないでしょうか。

 オンライン申請にはマイナンバーカードによる本人認証が必要です。「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」と同様にスマートフォン対応が進み、数年前に比べればそれなりに便利に申請できるようになりました。

 しかし、今からマイナンバーカードを申請しようとしても、残念ながら非常に時間がかかります。また以前紹介したように、4種類ものパスワードを設定し、使い分ける必要があるのです。

  • マイナンバーカード署名用パスワード(半角英数字6〜16文字)
  • 利用者証明用パスワード(4桁の数字)
  • 券面事項入力補助用パスワード(4桁の数字)
  • 個人番号カード用(住民基本台帳用)パスワード(4桁の数字)

マイナンバーカードでは複数のパスワードを設定する必要がある マイナンバーカードでは複数のパスワードを設定する必要がある(出典:電子証明書の有効期間と失効|公的個人認証サービス ポータルサイト

 筆者はかつて、セキュリティのコラム連載を持つ身として述べた「マイナンバーカード作成時のパスワードは、全て異なるものを設定するべきだ」という意識の高い発言を後悔しています。現在は、推測しにくいものであれば共通のパスワードでも構わないと思っています。

 全てに異なるパスワードを設定し、各自治体の呼び方に合わせて管理するのは現実的に無理があります。実際に多くの方は、共通のパスワードを設定しているのではないでしょうか。

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