「DXはITの延長線上にはない」――生産性と安全性を両立させる、持続可能な組織の作り方人事部から見たIT部門(1/2 ページ)

コロナ禍をきっかけに働き方改革を急進させ「オフィス半減」を発表した富士通。当初はコストダウン施策と誤解されたというが、その狙いはDX企業としてビジネスを変革し、従業員の生産性を向上させて持続可能な社会へ貢献することにあった。それを実現するためには、人事と総務、IT部門の連携が不可欠であるという。

» 2020年09月18日 07時00分 公開
[柴佑佳ITmedia]

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 「これからはインターネットがビジネスフィールドになる。そこで新しい価値を生み出すのは人事と総務、IT部門だ。この3部門が連携すれば『ゼロトラストセキュリティ』と『従業員を信頼する制度設計』は両立できる」

富士通の平松浩樹氏

 2020年9月9日、アイティメディアが主催する「ITmedia Security Week秋」にて富士通の執行役員常務で総務・人事本部長を務める平松浩樹氏が登壇。「IT部門と人事・総務の二人三脚で実現させた、8万人のテレワーク 富士通が考える新しい組織の在り方とは」と題して基調講演を行い、同社が進めるテレワーク体制の狙いと今後の展望について語った。

DXはITの延長線上にはない

 富士通は従来、自社を「お客さまの課題をITで解決するITソリューションの会社」(平松氏)と定義していた。しかし2019年6月の社長交代をきっかけに、デジタルトランスフォーメーション(DX)企業への転身を決定。現在は、同社のミッションを「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」と述べる。

 「顧客のために」から「持続可能な社会のために」。よりマクロな視点でのビジネス貢献を目指し、エンプロイーエクスペリエンス(従業員経験)の充実もビジネスミッションに含んだ。その中で同社は「DXは、ITの延長線上にはない」(平松氏)と考えているという。同社はDXを「デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらすもの」と定義している。それを実践するには、これまでと全く違った人材が必要になり、人事制度や働き方も変える必要がある。

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