米国の超巨大企業、PepsiCoが「膨大な消費者データ」を活用するために重視していること

膨大な量のデータをどう「無駄なく」活用すればいいのか。そんな課題に取り組むのが、清涼飲料水や食品などを多く手掛けるPepsiCoだ。大規模な市場を持つ同社にとって、オンラインのマーケティング施策で消費者のデータを集めることは「特別な意味」を持つという。それは何か。データ活用において重視するポイントと一緒に探る。

» 2020年10月26日 19時00分 公開
[高木理紗ITmedia]

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 デジタルメディアの世界が広がる中、データを使って消費者にどうアプローチすればいいのか。幅広い消費者を相手にするB2C市場でこの課題に取り組むには、独特の難しさがあるという。ターゲット層の限られるB2B市場と比べて、扱うデータの量も、消費者との接点になるメディアの数も膨大になるためだ。

 清涼飲料水「Pepsi」や食品「クエーカーオートミール」など、幅広いブランドの製品を扱う米国企業PepsiCoも、マーケティング業務のデータ活用において、同様の課題に取り組む。

 「PepsiCoのビジネスはB2C(対消費者)でもありますが(スーパーマーケットや量販店などを展開する企業経由を相手にした)B2B(対ビジネス)の側面も備える、いわゆるB2B2Cでもあります。そのため、私たちのマーケティングには終わりがありません」と話すのは、同社のマイク・スカフィディ氏(グローバルマーケティング&アドバタイジング テクノロジー本部長)だ。同氏は、マーケティングの効果を最大化し、効率化する目的で、データや技術の活用を推進する立場にある。

マイク・スカフィディ氏(グローバルマーケティング&アドバタイジング テクノロジー本部長)

 PepsiCoにとっての大きな目標は、ターゲット層のあらゆる家庭に商品を流通させることだという。ただし、雑誌や新聞、テレビなどを使って従来進めてきた「同じメッセージを全消費者に配信する」方法をデジタルの世界で実行しようとすれば、コストが膨らんでしまう。コストを最適化しつつ、消費者に直接アプローチするために、同社はどのようにデータを活用しているのか。

 2020年10月14〜15日にオンラインで開催されたセールスフォース・ドットコム主催の小売り業界向けオンラインイベント「Salesforce Live : Retail & Consumer Goods」に登壇したスカフィディ氏の講演を基に、PepsiCoの取り組みを見てみよう。

膨大な数の消費者を相手に、データを使ってどうマーケティングを展開するか

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