資生堂がDX推進の専門組織を設立、7月からアクセンチュアと合弁で

データ活用、クラウドシフト、DX人材獲得。日本企業のDX推進で必要となる3つの要素について、資生堂はアクセンチュアとの合弁会社を立ち上げて機動的に獲得する計画だ。専門の子会社を立ち上げてDX戦略実行を急ぐ。

» 2021年05月17日 10時00分 公開
[原田美穂ITmedia]

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新会社「資生堂インタラクティブビューティー株式会社」のロゴ(資生堂のプレスリリースより)

 資生堂はアクセンチュアと合弁会社を7月に設立する。これに先立つ2021年2月9日、既に両者は資生堂のデジタルトランスフォーメーション(DX)を目的とした戦略的パートナーシップを締結していた。新会社名は「資生堂インタラクティブビューティー株式会社」。資生堂が過半を出資する。

経営改革と事業モデルの改革を進める資生堂、新たな核は

資生堂の中期経営計画「WIN 2023 and Beyond」の内容(資生堂が公開するIR資料より)

 資生堂は、中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」の中で、生産性を高め「稼ぐ力」の高い組織への変革を目指している。事業面では「スキンビューティー」領域をコア事業に据えて抜本的な経営改革を実行し、「2030年までにこの領域における世界のNo.1企業になる」ことを目指す。この経営戦略の一環で「デジタルを活用した事業モデルへの転換・組織構築」を推進する課程にある。組織面では2020年に「ジョブ型」雇用への移行を表明、2021年1月から本格適用を開始している。

資生堂代表取締役社長兼CEOの魚谷雅彦氏

 今回設立する合弁会社は、自社グループにおけるデジタルデータ活用やサービス開発などの機能を集約する。加えて、同社のデータ基盤のクラウドシフトやDX人材の育成と採用についても、合弁会社に参画するアクセンチュアのノウハウや人材を生かす計画だ。

 この発表に当たり、資生堂代表取締役社長兼CEOの魚谷雅彦氏は「変化し続けるお客さまと市場に迅速に対応するためにデジタルトランスフォーメーションは必要不可欠な要素。新しいビューティー体験を共に生み出し、化粧品業界に変革を与えると革新する」とのコメントを寄せた。

資生堂が推進するDX 3領域、別組織を立ち上げて運用する意味は

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