攻撃手口の公開は"もろ刃の剣" 対策を一歩前に進めるにはどうすればいいのか半径300メートルのIT

攻撃手口の公開には「模倣犯を増やす可能性がある」というリスクがあります、しかし対策を前に進めるためにも必要なことです。今回は自動車業界とIT業界で起きた攻撃からこれを考えていきましょう。

» 2021年09月21日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

 昨今、自動車窃盗の手口は「リレーアタック」が主流になっています。この手法は、キーレスエントリーシステムにおけるスマートキーから発せられる信号を特殊な装置で受信し、遠距離間で中継することで自動車のロックを解除するというものです。これに対抗するため、電波を遮断するケースにキーを入れるといった対策が進んでいます。

 2021年9月、兵庫や大阪で高級車を盗んでいた窃盗グループが逮捕されたという報道がありました。この事件は、従来のリレーアタックではなく、自動車の制御システムに不正アクセスする手口として広がりつつある「CANインベーダー」で全国初の摘発事例という点で注目を集めました。

 自動車がサイバー攻撃の標的になり得ることは、以前からも指摘されていました。自動車業界のセミナーでは「エンジニア視点で自動車を考える」というテーマで自動車に対するセキュリティが取り上げられ、ハッカーイベントでも中間者攻撃の手法が発表されています。筆者の記憶では、自動車業界に限らず多くの業界でこれに関する注意喚起がなされていたと思います。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ