DX専門チーム責任者のための社内組織の組み立て方

DX専門組織を立ち上げた際に、マネジャーは「どこからデータサインティストを集めれば良いのか」「どうやって育成すれば良いのか」といった悩みを抱えることがあるだろう。3000人のデータサイエンティストを育てたスペシャリストが、よくある5つの疑問に答える。

» 2021年10月15日 10時00分 公開
[吉田 順日立製作所]

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著者紹介:吉田 順

日立製作所 Lumada Data Science Lab. co-leader

1973年10月生まれ、群馬県出身。東京工業大学大学院社会理工学研究科卒業。1998年4月 日立製作所入社。2012年にAI/ビッグデータ利活用を支援する「データ・アナリティクス・マイスター・サービス」を立上げ、多数のAI/ビッグデータ利活用プロジェクトを推進。2021年より現職となり、トップデータサイエンティストを集結したLumada Data Science Lab.のco-leaderとして、Lumada事業拡大の加速と人財育成の強化を図っていく。

 多くの企業がデジタル技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいます。DXを推進する際は、専門組織を立ち上げて幾つかのスキルを持った人材を招集することが一般的です。中でもデータサイエンスを理解する人材はキー人材になり得る存在です。

 データサイエンティストを抱える社外の事業者と連携することも一つの手ですが、「データドリブン経営」という言葉が流行する今、事業のあらゆる場面でデータに基づいた意思決定をするために、社内でデータサイエンティスト候補を育成する重要性が増しています。データサイエンティストの育成をミッションとして掲げている企業も少なくありません。

 これからDX専門組織を立ち上げるという企業も多いでしょうが、その際にマネジャーの方々は「どこからデータサインティストを集めれば良いのか」「どうやって育成すれば良いのか」と悩まれることと思います。日立製作所(以下、日立)のLumada Data Science Lab.では、これまでデータサイエンティストを100人以上、日立全社では3,000人以上育成してきました。さまざまなお客さまから育成に関するご相談を受ける機会が多く、いろいろなご支援させていただいております。

 そこで今回はデータサイエンティストを束ねるマネジャー側の課題について、以下によく聞かれる質問を5つピックアップしました。それぞれの考え方についてご紹介します。

(1)どこからデータサイエンティスト候補を集めるか

(2)どういう人材がデータサイエンティストに向くのか

(3)研修を受けさせればデータサイエンティストになれるのか

(4)育成にはどのぐらいの時間がかかるのか

(5)プロジェクトごとにどういうチーミングをすれば良いのか

 なお、データサイエンティスト候補として選ばれた担当者の方々は「今後どうやってスキルアップしていけば良いのか」と悩みながら活動されていると思います。そうした課題については次回言及する予定ですが、本稿でもデータサイエンティストのタイプを幾つかに分け、得意分野に応じてどのような役割を担っているのかを紹介しています。これからスキルを伸ばしたいという現場の方もご自身がどのタイプに当てはまるかをぜひ考えてみてください。

■連載目次


(1)どこからデータサイエンティスト候補を集めるか

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