Amazon vs. Walmart 出願特許に見るサプライチェーン効率化の知恵比べSupply Chain Dive

米国のリテール業界をけん引するAmazonとWalmartがリテールテックだけでなく物流関連技術の特許出願でもしのぎを削っている。直近の出願特許に見る両社の注力領域は全く別のベクトルを向いたものだった。今後のサプライチェーンの方向性を占う。

» 2021年10月14日 13時30分 公開
[Matt LeonardSupply Chain Dive]

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Supply Chain Dive

 米国ではサプライチェーン関連の特許が毎日のように出願されている。AmazonとWalmartもそうした企業の1社だ。両社は米国のリテール業界をけん引する企業として知られており、競合する関係にあるが、サプライチェーンに関する技術開発においてはやや異なる方向性を見せている。

Amazonの出願特許から読み解く仕分けセンターの効率化

 Amazonの受注から配送までの流れは、まずフルフィルメントセンターで顧客の注文品を選択した後、それを「仕分けセンター」に送る方式を採用するというものだ。この仕分けセンターは、ラストワンマイルの配達ドライバーの担当エリアごとにパッケージが分類される仕組みだ。同様のモデルは米国のディスカウント小売りチェーン「Target」も採用する計画だ。

 だが、2021年8月初めに公開された出願特許を見ると、Amazonはこのプロセスをアップデートするアイデアを示している。出願書類によれば、Amazonは仕分けセンターを編成する従来の方法(標準モデル)は「あまり柔軟性がない」と指摘している。

 仕分けセンター編成の標準モデルとは、施設内の仕分けゾーンをサービス提供の地理的エリアに対応させるというものだ。この場合、施設の容量や管轄区域が変更されれば施設内のゾーン設計を改める必要があり、サービスのダウンタイムが長期化する可能性がある。加えてある地域が他より多くのパッケージを注文した場合に、仕分けセンターの他の部分が十分に活用できない。これらの問題が「あまり柔軟性がない」との指摘につながっている。

Amazonの出願特許「Dynamically Generating a Sort Zone Assignment Plan(US Patent 11093891 B1)」(出典:United States Patent and Trademark Officeの公開資料)

Amazonが特許を出願した「仕分けゾーンの動的生成」というアイデアはどういったものか

 Amazonが想定するのは「動的に生成される」仕分けゾーン割り当てプランであり、毎日または毎週、プランを変更できるようにすることだ。この機能は次の7つのプロセスによって実現する。

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