マックやKFCも 大手チェーンでドライブスルーのIT投資が過熱、その理由はRestaurant Dive

大手ファストフードチェーンの間で、ドライブスルー店舗の設備を拡大し、新たにIT技術を導入する動きが相次いでいる。その背景には、コロナ禍で消費者の行動やニーズそのものが後戻りしない勢いで変化する現実があるというが、一体何が起こっているのか。

» 2021年12月01日 07時30分 公開
[Alicia KelsoRestaurant Dive]

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Retail Dive

 McDonald'sやKFC、Taco Bell、Burger King――誰もが知る大手ファストフードチェーンの間で、ドライブスルー店舗へのIT投資が過熱している。その背景には、コロナ禍で大きく様変わりした消費者のニーズや市場の変化があるというが、一体どのような課題が生じているのか。また、そうした課題を企業はITやビジネス変革でどう解決しようとしているのか。

 市場調査サービスを手掛けるSeeLevel HXは2021年9月、飲食店のドライブスルー店舗1500件を対象にした年次調査(出典1)の結果を発表した。ファストフードを中心とした「クイックサービス」セグメントの平均サービス速度は2021年時点で382.39秒となり、2020年(356.80秒)から約26秒遅くなった。

 2021年は注文の処理精度も低下した。2020年には全注文のうち不正確に処理されたものが13%あったが、2021年は15%に悪化した。調査によれば、不正確な注文処理が発生した場合、正確な注文よりも1分以上(71.06秒)対応に時間がかかるという。

 SeeLevel HXのリサ・ファン・ケステレンCEOは、2021年の変化について「レストラン業界における労働市場の逼迫(ひっぱく)やサプライチェーンの課題、インフレなどに起因している」とコメントしている。

変わる消費者のニーズ 大手の間で相次ぐドライブスルー向けIT投資の中身は

 ドライブスルーの待ち時間が長引く大きな要因が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)だ。ほぼ非対面で注文が済むドライブスルーの注文量が増え、結果として1件当たりの対応時間が長引いている可能性がある。

 COVID-19の発生初期、店内での飲食ができなくなったことで、ファストフード大手のMcDonald'sでは、受け付ける注文の90%近くをドライブスルーが占めるようになった。

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