ぼっち情シス組織は本当に「伴走型SI」の支援でDXを推進できるのか 役割の切り方、契約のコツを考える

システム開発の外注化比率が高いために、IT企画や実装能力が空洞化することが問題になっている。そこで内製化が注目されているが、実現にはパートナーとの協力関係が不可欠であり、その関係性を見直すことが必要になる。

» 2022年02月15日 08時00分 公開
[山下竜大ITmedia]

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 2022年12月、アイティメディア主催のデジタルイベント「ITmedia DX Summit vol.10 デジタルで世界はもっと良く変えられる」が開催された。回帰2日目の基調講演にAnityA 代表の中野 仁氏が登壇し、「クラウド時代におけるパートナー関係の再定義と現実的な内製化の実現」をテーマに、中堅企業におけるDX推進や内製化のあるべき姿、実現のための段階的なステップ、伴走型SIの生かし方やその契約のヒントを解説した。本稿はその模様をダイジェストで紹介する。

雑なオーダーから始まる「手探り内製化」右往左往 解決策は

 従来よりも手軽に調達できるクラウドサービスが充実してきたこともあり、企業が業務アプリケーションの内製化を実践する範囲が拡大している。しかし、外注比率が高くなり過ぎている企業の場合、内製のノウハウが失われており、IT企画や実装能力の空洞化が問題になっている。

 そこで内製化に注目が集まるが、半数以上のシステムを外部に委託する状況では、一気に内製化を実現するのは困難だ。実現には外部のITプロの協力が不可欠なことから、SIパートナー企業との関係から見直すことが重要になる。

 中野氏は「経営トップからの“何とかしろ!”という雑なオーダーに内製化を検討しているが社内にスキルや知識がなく、人材もいないため、どこから手をつければ良いか分からないと困惑する情報システム担当者(情シス)は多い」と指摘する。SIパートナー企業を変えてみたがうまくいかず、行き詰まりを感じるとの声もあるという。

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