ゼロトラストを超えていけ――IBMが日本市場に特化したセキュリティ施策を発表

日本IBMは新たなセキュリティ戦略として「Beyond Zero Trust」を打ち出した。「オーケストレーション」「インテリジェンス」「ローカライゼーション」という3つの要素に沿ったソリューション群を提供し、顧客のセキュリティ環境を保護する。

» 2022年05月10日 10時00分 公開
[宮田健ITmedia]

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 日本IBMは2022年4月27日、「ゼロトラスト・セキュリティーの高度化に向けた取り組みに関する記者説明会」を開催した。近年高度化するサイバー攻撃への対処に向け、日本IBMがサービスやソリューションをどのように展開していくかを解説した。

ゼロトラストの先へ IBMのセキュリティ戦略「Beyond Zero Trust」とは?

 日本IBMの小川真毅氏(執行役員 セキュリティー事業本部長)は、同社が提供する価値について「あらゆる企業の経営課題を最新テクノロジーの活用で支援すること」だと述べる。この方針の一環として今後強化するのが「セキュリティの高度化」だ。

 ハイブリッド/マルチクラウドへの移行やサプライチェーンの複雑化、コネクテッド環境とデータ利活用の促進など、ビジネス環境の急激な変化に伴い、セキュリティ脅威の動向にも変化が生じている。

 小川氏は、IBM Securityの年次レポート「X-Force 脅威インテリジェンス・インデックス 2022」を引用し、「これまでランサムウェアやフィッシングに最も狙われている業界は金融業界だったが、2021年に初めて上位が製造業に入れ替わった。昨今のサプライチェーン攻撃の増加から推測すると、製造業は攻撃者から“狙いやすい業界”とみられている可能性がある」と指摘する。

IBM調べのデータでは、標的とされる業界のトップは金融業から製造業に移っている(出典:日本IBMの発表資料)

 日本IBMはこうした現状を踏まえ、2022年度のセキュリティ基本戦略として「Beyond Zero Trust」を掲げている。ゼロトラストセキュリティに「オーケストレーション」「インテリジェンス」「ローカライゼーション」という3つの要素を加え、より高度なセキュリティを確保するという。

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