NVIDIAが3Dシーン記述言語「USD」の標準化へ 産業向けデジタルツイン実現に道ニューラルネットワークによるグラフィックス生成技術も

NVIDIAは、3Dコンテンツ制作を容易にするツール群「Neural Graphics SDK」を発表した。デザイナーやクリエイターだけでなく、一般ユーザーもメタバース向けのコンテンツ制作などが容易になるという。併せて、パートナー企業とともにUSDを拡張し、産業向けメタバースアプリケーション向け対応を強化する。

» 2022年08月15日 13時30分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 NVIDIAは、2022年8月9日(現地時間)から米国で開催されているコンピュータグラフィックス(CG)関連のSIG「SIGGRAPH」で、ニューラルグラフィックス技術を3Dオブジェクトや3D空間の構築やアニメーション化に応用したツール群「Neural Graphics SDK」を発表した。併せて、「Universal Scene Description」(USD)をオープンなメタバースと3Dインターネットの基盤にすることを目指すイニシアチブを発表した。

ニューラルグラフィックスの構成イメージ(出典:NVIDIAの公式ブログ)

3Dコンテンツ制作を容易にするツール群

 Neural Graphics SDKは、ゲームやメタバースなどの仮想世界、プロダクトデザイン、視覚効果などを構築するための3Dオブジェクトの制作を容易にするソフトウェア開発キット群だ。同キットを利用することで、3Dコンテンツ制作の専門家だけでなく、一般ユーザーでもメタバース向けのコンテンツなどの制作が容易になるとしている。

 ニューラルグラフィックスは、ニューラルネットワークによる深層学習を基に2D写真から3Dイメージを生成する技術だ。NVIDIAによると、ニューラルグラフィックスは「AIとグラフィックスを組み合わせて、データから学習するアクセラレーテッドグラフィックスパイプラインを構築する新しい分野」だという。「AI(人工知能)を統合することで改善につながる他、デザインの選択の自動化にも役立ち、アーティストやクリエイターの想像を超える新たな機会がもたらされる。ニューラルグラフィックスによって仮想世界の構築やシミュレーション、ユーザーエクスペリエンスの在り方は再定義される」としている。

NVIDIAによるニューラルグラフィックスの概要(出典:NVIDIAの公式ブログ)

 Neural Graphics SDKは、コンテンツ制作パイプラインの各段階に貢献する。具体的なツールは次の通りだ。

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