xP&Aとは? マトリクス型組織のプロジェクトマネジメントでDX専門組織が見つけた解決策(1/2 ページ)

素早く将来を予測する方法として「xP&A」に注目が集まる。従来のERPが持つ計画機能と何が違うのだろうか。NRIの実践例を参考に「Connected Planning」の実践方法を考える。

» 2022年08月30日 15時00分 公開
[原田美穂ITmedia]

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 野村総合研究所(以下、NRI)のDX基盤事業本部札幌ソリューション開発一部はさまざまなITソリューションの知見を元に顧客のDX推進を支援する。

 札幌ソリューション開発一部の部長である山本英貴氏は「さまざまな顧客案件の課題解決のために多様なソリューションの中から最適な提案を目指し、多様なプロダクトを研究している。一方で自分たちが抱えるプロジェクトや今後受託する可能性がある案件に対して、予算や要員計画についてマネジャーがすぐに把握できない状態が続いていた。業務改革やDX推進を支援する自社が変わらなければ、という課題が見えていた」と2016年頃の情況を語る。

NRI 山本英貴氏

 山本氏によれば当時の状況を整理すると下図のようになる。

2016年頃のマネジャーらが抱えていた課題

 図を見ると分かる通り、さまざまな情報を個別で管理しているが、それぞれの情報がつながっておらず、各所でExcelシートのバケツリレーが発生していた。各部門が持つExcelシートの形式や情報粒度なども標準化できていないため、バッファの持ち方や数字の算出方法にばらつきがあり、人為的な加工が加わることもあった。これらの全体像を把握するマネジャーはプロジェクトの進捗を即座に把握することが難しく、将来見通しの精度を高めにくい。

Excelシートまみれのマネジャー「Messy Middle」問題

 この問題を解決するには頭の中で調整していた人材のアサイン状況と今後の施策テーマ(求められるスキル)を見通すプロセスを何らかの方法で仕組み化するしかない。この仕組み化にAnaplanによる予測分析の機能を採用した。

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