EDI連携からAPIエコノミーへの転換を支援 インテックが「都市OS」基盤を強化

インテックが産業界向け「APIプラットフォーム構築サービス」を強化する。APIを生かしたデータ連携によって産業界の「API連携ビジネス戦略」を支援するとしている。

» 2022年09月22日 11時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 インテックは2022年9月20日、ブリスコラが開発、提供するフルライフサイクルAPI管理製品群「BAMs Series」の販売代理店契約を締結したと発表した。両社はAPIを活用したデータ連携領域で連携し、流通業や地銀、製造業などの産業界に展開する方針だ。インテックは、企業のデータ連携を支援する「APIプラットフォーム構築サービス」をBAMs Seriesとの連携で強化する。

EDIからAPIへ 各種セキュリティ標準に対応したモダンなAPI実装を支援

 ブリスコラのBAMs SeriesはAPIの設計、開発から公開、運用までのライフサイクル全体の管理を担うAPI管理製品群だ。オープンソースソフトウェアのAPIゲートウェイ「Kong」をベースに開発されており、APIに必要な機能をプラグインとして組み込める。プラグインによって「OpenID Connect」などの認証規格に対応したセキュリティ機能を提供する他、多数のAPIの公開設定を統合して扱う管理機能などを提供する。

独自の「都市OS」向けデータ連携基盤「APIプラットフォーム」

 インテックのAPIプラットフォーム構築サービスは、自社のデータやサービス、プロダクト、機能などを社内外へ展開し、データをビジネスに活用したい企業向けの基盤構築サービスだ。

 社内業務システムや外部サービスとの連携を実現するAPIを公開するための基盤「APIプラットフォーム」の構築を支援する。APIプラットフォームは下図に示すように、都市機能を支えるさまざまな産業の事業者らが必要な情報を安全にやり取りする「都市OS」向けのデータ連携基盤としてTISとインテックが共同開発した。業界標準のセキュリティ基準に準拠したAPI公開機能を提供しており、安全なデータ流通を実現する。

「APIプラットフォーム構築サービス」の概要(出典:インテックのプレスリリース)

 インテックはVAN(付加価値通信網)サービスで培った業務データ連携サービスの知識や運用ノウハウを基に、既存のデータ交換(EDI/EAI)の仕組みからAPI連携への移行コンサルテーションと合わせて基盤構築サービスを提供している。APIプラットフォーム構築サービスは、社内外のサービスを公開APIを介してつなぎ合わせることで新たな経済的価値「APIエコノミー」を創出する、とインテックは説明する。

APIエコノミー全体像のイメージ(出典:インテックのプレスリリース)

 インテックは今回の販売代理店契約締結によって、BAMs Seriesの販売を開始するとともに、APIプラットフォーム構築サービスを強化する。BAMs Seriesとの連携によって、APIプラットフォーム構築サービスのAPI開発と公開にかかるコストと期間を大幅に削減する。併せて、各種産業界向けに「API連携によるビジネス創出に適したソリューションアーキテクチャ」を整備してAPIプラットフォーム構築を支援する。

 今後も両社はAPIプラットフォーム構築サービスの強化を進めるとともに、流通業や地銀、製造業をはじめ、さまざまな業界へのサービス展開を図る。インテックの持つEDI(電子データ交換)/EAI(企業内アプリケーション統合)業務データ連携サービスや運用のノウハウと、ブリスコラのAPI管理製品群BAMs SeriesやAPI戦略コンサルティングノウハウとのシナジーを創出し、APIビジネス市場の活性化に寄与するとしている。

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