三菱UFJ、ITアーキテクチャ「抜本的な変革」へ

「金融・デジタルプラットフォーマー」への進化を目指す三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱UFJ銀行がITアーキテクチャ刷新に動く。メインフレームとクラウドをどう使いこなすのか。

» 2022年12月14日 08時00分 公開
[原田美穂ITmedia]

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 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱UFJ銀行が、勘定系のシステム変革を中心とした「アーキテクチャー戦略」を推進するプロジェクトを開始した。今後、段階的に新システムへの移行を進める。

MUFG「アーキテクチャ戦略」が目指す姿と勘定系の刷新

 アーキテクチャ戦略は、「品質・安定重視の開発」と「俊敏性重視の開発」の両方に適応する「2 Way Architecture」を基本理念とし、デジタライゼーションへの対応を目指すものとして三菱UFJフィナンシャル・グループが掲げるIT戦略だ。

MUFGにおけるアーキテクチャ戦略(出典:MUFG公開資料

 具体的には「クラウドを適材適所に活用し、変化の早いデジタルにも対応可能なアーキテクチャと開発スタイルに進化」すること、「多種多様なデータの収集・蓄積を背景にAIサービスを広く展開、業務プロセスの改善や金融サービス高度化を促進」することを目指す。

 このため、新勘定系システムの基盤は、信頼性の高いメインフレームと迅速性や柔軟性が高いオープン系基盤を適材適所で選択するハイブリッド基盤で構成する。これにより、銀行システム全体の構造改革に取り組んで、事業継続性を高め、ビジネス変化への対応力とシステムコストの競争力を強化する。

 プロジェクト推進を支援する日本IBMは2022年11月10日に、メインフレームの最新化とオープン基盤やクラウド基盤などのマルチ・プラットフォームに対応したソリューション「次世代勘定系ソリューション戦略とロードマップ」を発表しており、今回のシステム移行はこのロードマップに基づくものだとしている。

日本IBMが目指す次世代勘定系システムの概要(出典:日本IBM発表資料)
次世代勘定系ソリューション戦略とロードマップ(出典:日本IBM発表資料)

 日本IBMは、1987年10月の第三次オンライン・システム稼働以降、三菱UFJ銀行のシステム設計や運用を担ってきた。

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