電帳法対応の保管データをクラウドで活用 流通、小売業界の電子商取引DXは進む?

電子帳簿保存法が改正され、取引データの長期保管義務が義務付けられた。保管データを塩漬けにせず、活用することを想定したサービスが登場した。

» 2023年01月11日 10時00分 公開
[荒 民雄ITmedia]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

 富士通Japanは、企業の改正電子帳簿保存法への対応を実現するため、既存のEDIサービスと連携して注文書、受領書、請求書などに相当する電子取引データを自動的に保存し、参照や検索、ダウンロードを可能とする新サービス「Fujitsu EDIデータ保存・検索サービス」を開始した。

 同社はこのソリューションにより「ペーパーレスによる業務効率化やコスト削減を支援するとともに、流通BMSや電子インボイスの普及なども推進することにより、電子商取引におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献する」としている。

Fujitsu EDIデータ保存・検索サービスの動作イメージ(出典:富士通Japan発表資料)

5万社以上が使うEDIと自動連携

 2022年1月施行の改正電子帳簿保存法においては、電子取引の情報は紙ではなくデジタルデータで保存するよう定められた。

 Fujitsu EDIデータ保存・検索サービスは取引データを7年間保存可能で、真実性(改ざん防止)や可視性(検索機能)などの改正電子帳簿保存法が求める保存要件を満たす。蓄積したデータは取引年月日や取引先名、取引金額など、あらかじめ設定した項目で参照、ダウンロードなども可能だ。

 データ探索や参照機能は、日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の「電子帳簿ソフト法的要件認証」「電子書類ソフト法的要件認証」「電子書類ソフト法的要件認証」「電子取引ソフト法的要件認証」を取得するウィングアーク1stの「Dr.Sum」「MotionBoard」のクラウド版を採用する。Dr.Sumは複数のデータソースを基にした集計機能を持ち、MotionBoardはデータの可視化や参照機能を持つ。

 同サービスはまず富士通Japanが「小売、卸、製造業業界を中心に約5万社以上が利用する」とするクラウド型EDI「Fujitsu 流通EDIサービス TradeFront/6G」の電子取引データと自動的に連携するため、利用者はシステム改修をせずに改正電子帳簿保存法に対応できる。今後、富士通Japanの他のEDIサービスとも順次連携する計画だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ