「NutanixはHCI」だけじゃない ハイブリッド・マルチクラウド環境を実現する「Nutanix Cloud Platform」

クラウド活用においてハイブリッド・マルチクラウド環境は注目の的だ。一方、企業は運用の複雑さやコスト管理といった課題を抱えている。「Nutanix Cloud Platform」はこれらの課題を解決できるという。

» 2023年04月27日 08時00分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 ニュータニックス・ジャパン(以下、ニュータニックス)は2023年4月26日、「CEO(最高経営責任者)来日記者会見」を実施した。ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)という印象が強い同社だが、現在はハイブリッドクラウドに注力しビジネスを拡大している。

「NutanixはHCI」だけじゃない ハイブリッド・マルチクラウド環境を実現する「Nutanix Cloud Platform」

 「日本の含め世界では、多くの企業が組織的なイノベーションや成長を実現するためにクラウドの活用などに取り組んでいる。一方、制約が多いことはもちろん、企業は人材やコストといった課題に直面している」

ラジブ・ラマスワミ氏

 企業におけるクラウド活用に対し、このような危機感を表したのはNutanixのプレジデント兼CEOを務めるラジブ・ラマスワミ氏だ。同氏によれば、企業は予算や人材、時間といった制約の中でビジネスを推進し続けなければならず、その実現には変革や成長、リスク管理が欠かせない。

 一言で「クラウド化」「クラウド活用」と言っても、検討しなければならない要素は膨大だ。特に企業はサイロ化した運用モデルやツールで組織環境を構築しているケースもあり、この点についてラマスワミ氏は「サイロ化した環境は複雑かつコストも高く、企業はビジネススピードを加速できません。企業に必要なのは、あらゆる場所で稼働でき、一貫性のある統合されたハイブリッドマルチクラウド環境です」と見解を述べた。

 Nutanixは「システム基盤のシンプルさ」「クラウド選択の自由」「成功へのこだわり」という要素をユーザーに提供するために、以下の図1のような「Nutanix Cloud Platform」を提供している。シンプルで単一のハイブリッドクラウドプラットフォームであれば、クラウド移行や運用の簡素化、コスト管理といった課題解決に近づくというのが同社の考えだ。

図1 単一のハイブリッドクラウドプラットフォーム(出典:ニュータニックス提供資料)

 複数ベンダーを単一のプラットフォームで利用できる点は、同サービスにとって特に強調すべき特徴だ。ユーザーは運用の複雑さを大幅に減少し、ビジネスにフォーカスしやすくなる。

 「クラウド活用において、必要な要素を全て持っているのがNutanix Cloud Platformだ。われわれは同プラットフォームなどを通じて、企業における課題の克服やビジネス成長をサポートしていく」(ラマスワミ氏)

導入支援の体制も強化

金古 毅氏

 Nutanix Cloud Platformの普及に向けて、ニュータニックスのコーポレートバイスプレジデント兼代表執行役員社長の金古 毅氏が「Nutanix ハイブリッド・マルチクラウド スターターキット」を発表した。同サービスは「Nutanix Cloud Infrastracture Pro」と「Nutanix Cloud Manager Starter」を組み合わせたもので、インフラの監視やライトサイジング、管理機能などを提供する。また、導入に際してもNutanixのコンサルタントチームが移行を支援する。

図2 Nutanix ハイブリッド・マルチクラウド スターターキットの概要(出典:ニュータニックス提供資料)

 実際にNutanix Cloud Platformを採用し、基幹システムを一新したのが山一ハガネだ。自動車業界を中心にビジネスを拡大していた同社だが、近年の出荷台数減少を受け、現在は3Dプリンタを使ったビジネスモデルの創出に取り組んでいる。組織としては増え続けるデータに対してデータベース管理が難しくなっており、シンプルかつ容易に活用できるNutanix Cloud Platformに注目した。

 売上や請求、入出荷、在庫管理などを行うあらゆる基幹システムをNutanix Cloud Platformで構築し、売上高や利益率など経営分析データについては「PostgreSQL」「Nutanix Database Service」(NDB)を使って運用している。

寺西基治氏

 同社で代表取締役を務める寺西基治氏はNutanixに対して「Nutanixを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)でさらなる飛躍を遂げたいと考えています。期待しています」とコメントを述べた。

 また、Nutanixはデータベース運用の自動化を推進するため、「Nutanix データベースサービスエコシステムプロジェクト」を始動すると発表した。同エコシステムの活動は主に「Nutanix データベースサービスのワークショップ」「NDBの早期導入支援コンサルティングサービス」「NDB技術認定資格取得支援」となっており、企業におけるクラウドジャーの支援と課題解決の促進を強化するようだ。

左から金古氏、寺西氏、ラマスワミ氏

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