日鉄ソリューションズがNutanixでDaaSサービスを効率化

日鉄ソリューションズがNutanixを採用した。サービス拡大の中で抱えていた課題を解決するためだというが、その課題と選定理由は何だったのか。

» 2023年03月01日 07時00分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 ニュータニックス・ジャパンは2022年2月28日、日鉄ソリューションズがクラウド型デスクトップサービスに「Nutanix Cloud Platform」を採用したと発表した。日鉄ソリューションズが同サービスを採用した背景には「仮想デスクトップ環境の拡張に対するアジリティの低さ」という課題があったという。

サービス拡大の裏に抱えていた課題

 日鉄ソリューションズは中期事業方針として、顧客とともにDX(デジタルトランスフォーメーション)の難所を乗り越えていく「ファースト DXパートナー」を目指しており、「Digital製造業」「Platformer支援」「Digital Workplace Solution」「IT Outsourcing」の4つの注力領域を持つ。

 同社は仮想デスクトップ事業に長年取り組んでおり、自社クラウドから提供する「DaaSサービス(注1)」や「Azure Virtual Desktop」「オンプレミス環境へのVDI構築サービス」など、顧客のニーズに合わせた仮想デスクトップ環境を「M3DaaS」ソリューションとして提供している。

 同社のDaaSサービスは10年以上の歴史を持ち、その規模を拡大している一方、突発的なユーザー増加やリソース拡張に対応するためのアジリティを高める必要性があった。日鉄ソリューションズの矢下 雄一郎氏(ITインフラソリューション事業本部 デジタルプラットフォーム事業部 デジタルワークプレース)は「エンドユーザーの業務スタイルや組織体制、景気、社会情勢などのさまざまな環境変化に対応でき、ユーザーの要望に応えやすい仮想デスクトップ環境にしたいと考えていました。その中でNutanixを採用して拡張性を高め、ユーザーリクエストベースの仮想デスクトップ基盤の実現を目指しました」とコメントしている。

採用のワケは

 日鉄ソリューションズは、従来採用してきた3層構成のアーキテクチャとハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)を比較した。同社は「シンプルな仮想基盤であるHCIは、拡張要件に応じてサーバやストレージ、ネットワークなど個別に拡張検討が必要となる3層構成に比べて、拡張時の作業プロセスを効率化でき、容易なスケールアウトと高品質なサービス提供を両立できる」と考え、その上でサービスの安定稼働を維持するために環境を一括管理しやすい製品を検討した。その結果、M3DaaS環境の一部でNutanix Cloud Platformの採用を決めた。

 「Nutanixは拡張性が高まるだけでなく、専用の運用ツールで一括管理が可能で、3層構成で回避が難しかった課題を解決しつつ運用効率を高められます」(矢下氏)

 日鉄ソリューションズによれば、Nutanix Cloud Platformの導入後は、予定していたユーザー数の2倍のDaaS環境が必要な際も、サービスのリリース時期を変えずに迅速かつ容易に拡張できている。

 矢下氏は「実際の運用フェースにおいても、システムの情報収集の間隔を自由に選択でき、運用が楽になりました。DaaSサービスを利用するユーザーから稼働状況について開示要求を受けた際、3層構成だとまずは全てのデータを抽出してから情報を分類、極小化する必要がありましたが、Nutanixを利用することで特定のユーザーやサーバのリソースを個別かつ容易に提示できるようになりました。直感的なUIで性能データを細かく取得でき、運用効率も向上しました」と評価する。

 日鉄ソリューションズは今後、Nutanixにおける運用の習熟度を向上させ、ハードウェアベンダー連携や同社のソリューションを交え、より大規模かつ多くのユーザーにサービス展開できるように仮想デスクトップビジネスを広げる予定だ。

注1:個人のデスクトップ環境をクラウドに構築し、ネットワーク経由でどこからでもアクセスできるサービス

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