NRIがChatGPTの利用動向調査の結果を発表した。情報収集や文章作成支援への期待はどの業種でも高かったが、ITプロが期待するのは「Excel関数教えて」。利用率が低い業界では別の可能性に期待しているようだ。
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野村総合研究所(NRI)は2023年6月22日、日本のChatGPT利用動向に関する調査結果を発表した。ChatGPTを提供するOpenAIのWebサイトへの日本からのアクセス数は、過去最高の767万回/日に達した同年5月中旬以降は横ばい。同サイトへのアクセス数を世界的に見ると、米国、インドに次いで日本は3番に多い。
日本のChatGPT利用は2023年に入ってから急増しており、同年4月中旬には、Openai.comへの1日のアクセス数は700万を超えた。これに伴い、ChatGPTの利用経験がある人の比率も同年4〜6月にかけて増加しており、ユーザー数は着実に増えている。
ChatGPTを認知している日本人の割合は、2023年6月に実施した調査では68.8%、実際に利用したことがあると答えた人は15.4%で、同年4月の調査時(認知61.3%、利用12.1%)からやや伸びている。年齢別では10〜30歳代の男性の利用率が同年4月調査では最も高く20%を超えていたが、同年6月調査でも、その層を中心に利用率が大きく伸びた。特に10歳代の男性の利用率は40.0%と高い。
業種別に見ると、認知・利用ともに高いのは情報通信(認知率88.4%、利用率32.8%)、製造(認知率75.6%、利用率19.2%)。利用率が低いのは飲食店・宿泊(認知率52.2%、利用率1.4%)、医療・福祉(認知率59.6%、利用率11.5%)、運輸(認知率66.7%、利用率9.5%)だった。
想定する業務でのChatGPTの利用用途では、総じて「情報収集」や「文章の作成」が高い。中でも情報通信業では「プログラミング」や「Excelなどの関数を調べる」が高くなっていた。
飲食店・宿泊業や医療・福祉業では、利用率は低いものの、「人の代わりにコミュニケーション相手になる」と考える人の割合が他業種よりも高かった。
NRIでは、ロボットが介護補助のためだけのツールではなく、利用者と日常的なコミュニケーションの相手としての役割を担うことも期待され、生成AIの進化によって人間同士のコミュニケーションの希薄化などの懸念は生じるものの、それ以上に日常のコミュニケーション不足を補える役割として生成AIのユースケースを整理し、活用していくべきではないかとしている。
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