AWSは生成AIに関する基礎を学べるコースを提供している。生成AIの活用を検討している企業の助けになるかもしれない。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
Amazon Web Services(以下、AWS)は2023年7月20日(現地時間)、生成AI(人工知能)を学べるコースの提供を開始した。同コースは経営層を対象としており、生成AIの基本を学べる。
AWSのエンタープライズストラテジストで、米国移民局の元CIO(最高情報責任者)であるマーク・シュワルツ氏は「このコースはわれわれが頻繁に直面するニーズに対応するものだ。生成AIがビジネスにどのような影響を与えるのか、AIを使ってどのようなことができるのかを考えるために必要な知識を網羅している」と話す。
AWSによると、このコースには5つの動画が含まれ、基礎的な要素や時代背景、ユースケースを学べる。さらに、生成AIの導入に必要なトレーニングと、リスキリングに関する経営幹部向けの学びも提供する。
さまざまなITベンダーが生成AIを取り入れたサービスをアピールしているが、それらの幾つかは生成AI導入の大きな妨げとなっている「社内のスキル不足」に対応するためのコースを提供している。実際にMicrosoftは2023年6月に、Googleは2023年5月に無償のAIトレーニングコースを発表した(注2)。
ベンダー各社は企業への生成AI導入を促進するため、AIトレーニングとその他の施策を組み合わせているが(注3)、それだけで課題解決には至らない。
シュワルツ氏は「企業が生成AIや他のML(機械学習)をどのように利用しようとしているのかを考えると、トレーニングコースだけではカバーできないさまざまな課題を持っていると気付く」と話す。
同氏によれば、企業はMLのさまざまなバージョンを確認した上で“安全に”社内で展開し、費用対効果の高い戦略を実施する準備が必要だ。しかし、企業はその過程でさまざまな障害に直面すると理解しなければならない。
「大規模な組織では従業員が新たな働き方に適応するのに時間を要するため、変化に伴う組織管理が難しいだろう。小規模な組織では、スキルの格差や予算の圧迫に悩まされるかもしれない」(シュワルツ氏)
これらの課題があっても企業は新たな技術の恩恵を受けたいと考えてる。Gartnerが2500人以上の経営幹部を対象に実施した調査によると(注4)、10社中7社が「生成AIの調査や導入検討している」と回答した。また回答者の19%は生成AIを含むサービスのパイロット版を開発中または量産中だという。
(注1)Generative AI for Executives(Amazon Web Services)
(注2)Microsoft launches free AI training as enterprises grapple with skills shortage(CIO Dive)
(注3)AWS pledges $100M to launch generative AI innovation center(CIO Dive)
(注4)Generative AI worth a shot despite risks, execs say(CIO Dive)
© Industry Dive. All rights reserved.