有名人は何を買っているのか。誰しもが一度は気になったことがあるだろう。こんな疑問に答えるサービスをWalmartが始めた。同サービスで買い物客の体験はどう変わるのか。
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Walmartは2023年7月12日(現地時間)、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)選手のパトリック・マホームズ氏や歌手のベッキー・G氏、バービーブランドと提携し、彼らの“お気に入り商品”が入ったショッピングカートを公開したと発表した(注1)。有名人のお気に入り商品を公開することで、買い物客の購買意欲を促進する狙いがある。
3人のカートにはBoseのポータブルスピーカーやIGLOOのクーラーボックス、Better Homes & Gardensの毛布、その他パーティー用品や電化製品など、さまざまな商品がある。
Walmartはデジタルショッピングの新たな体験として、G氏のお気に入りアイテムを紹介するライブストリーム型のショッピングイベントも開催する。同社の発表によれば、同イベントは2023年7月25日に同社のWebサイトや「Facebook」で開催された。
Walmartは発表の中で「ショッピングカートを公開することで、買い物客はお気に入りのインフルエンサーが推薦する商品を知ることができ、新たな商品発見のきっかけになる」と述べた。
WalmartとG氏のショッピングイベントは、同社がライブストリームショッピングに対する試みを続けていることを示している。
Walmartは2022年3月、ライブストリーミングを主催するTalkShopLiveとの提携を拡大し(注2)、料理研究家のレイチェル・レイ氏や俳優のドリュー・バリモア氏などの著名人を起用した8つのライブストリームショッピング体験を行った(注3)。2021年には、「Twitter」(現「X」)と「TikTok」でライブストリーミングショッピングイベントを行った(注4)(注5)。
Walmartはライブストリーム市場が成長すると考え同市場に参入している。小売業とテクノロジーのリサーチを得意とするCoresight Researchは2023年初め、ライブストリームにおけるeコマース市場が2023年末までに317億ドルに達すると予測している(注6)。
Metaは2022年8月、消費者の視聴行動の変化を理由にFacebookでのライブショッピングを停止すると発表したが(注7)、「Instagram」でのライブショッピング機能は継続している。
Walmartは近年、オンライン顧客のショッピング体験を向上させることを目的に同社のWebサイトを更新している。2022年10月には「AR」(拡張現実)を利用したショッピング機能に加え、割引商品を示す緑色のタグなどさまざまな機能強化を発表した(注8)。また2023年4月にはWebサイトとモバイルアプリを見やすくするために全体的な刷新を行った(注9)。
(注1)Patrick Mahomes, Becky G and Barbie Inspire New Ways to Shop Their Favorite Products(Walmart)
(注2)Walmart teams with TalkShopLive as social commerce ramp up continues(Retail Dive)
(注3)Walmart moves further into livestream shopping(Retail Dive)
(注4)Walmart to host Twitter’s first shoppable livestream in quest to conquer social commerce(Retail Dive)
(注5)Walmart returns to TikTok for beauty-focused shoppable livestreamRetail Dive
(注6)US livestream commerce expected to surpass $31B in 2023: report(Retail Dive)
(注7)Facebook to shut down live shopping feature(Retail Dive)
(注8)Walmart enhances digital shopping ahead of holidays(Retail Dive)
(注9)Walmart rolls out more improvements to website, app(Retail Dive)
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