鉄鋼業界向け温室効果ガス排出量分析サービス「MIeCO2」 NTT comプラットフォームを採用

NTT ComのGHG排出量可視化プラットフォームをベースに、鉄鋼業界のサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を算定、可視化、分析するクラウドサービスがスタートする。

» 2023年08月31日 12時22分 公開
[山口哲弘ITmedia]

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 伊藤忠丸紅鉄鋼は2023年8月30日、鉄鋼製品を含むサプライチェーン全体のGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量を算定、可視化、分析するクラウドサービス「MIeCO2」を同年9月1日から提供開始する。

 同サービスのベースには、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)のGHG排出量可視化プラットフォーム「CO2MOS」を採用しており、これにウェイストボックスの環境コンサルティングに関する知見を適用した。

 今後3社は、カーボンニュートラルに取り組む企業に対して、MIeCO2の提供を通じて再生可能エネルギーの導入、調達業務への活用による排出量の削減やカーボンクレジットを活用したオフセットなどの支援を目指す。カーボンニュートラルを目指す団体や業界、サービスとも積極的に連携するとしている。

SBGT認定支援も 提供する2サービスの詳細は

 MIeCO2は「温室効果ガスのサプライチェーン排出量可視化」と「サプライチェーン排出量算定支援コンサルティング」の2つのサービスを提供する。

 温室効果ガスのサプライチェーン排出量可視化サービスは、自社内で収集可能なデータを基に簡易的に算出するだけでなく、サプライヤーから収集したデータを反映した精緻な算定にも対応する。顧客の保有データに応じて、GHGのサプライチェーン全体の排出量を算定、可視化、分析する。

 サプライチェーン排出量算定支援コンサルティングサービスは、算定範囲決定や算定ロジック定義、データ収集方法具体化、財務情報との整合性確認といった排出量算定に関わる業務に加え、世界的な情報開示システムを運営している英国のNGOであるCDPやTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)情報開示、SBT(Science Based Targets)認定取得を支援する。

 鉄鋼関連業界では、日本政府が目指す2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて、GHG排出量削減に向けた取り組みが急務になっている。伊藤忠丸紅鉄鋼では、排出量削減に向けた産業界の取り組みを促進させるにはサプライチェーン全体にわたって正確な情報を共有し対策を進める必要があるとしており、同社とNTT Com、ウェイストボックスの3社でこれを実現するソリューション群の提供を共同で検討、2023年2月から実証実験を進めてきた。

 MIeCO2は実証実験の結果を基に、排出量の算定、可視化、分析をはじめ、排出量削減や情報開示に向けたコンサルティング、各種認証取得支援などカーボンニュートラルにつながる取り組みを総合的に支援する。

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