進むSAP活用 味の素のグループ会社の取り組み事例

味の素グループのタイ味の素がSAPを活用して大きな成果を出している。取り組みによって生まれた変化とは。

» 2023年09月19日 07時58分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 SAPジャパンとアビームコンサルティングは2023年9月15日、味の素のグループ会社であるタイ味の素が導入した「SAP S/4HANA」「SAP Analytics Cloud」「SAP Datasphere」が同年4月より稼働したと発表した。

SAPの活用で生まれた変化とは

 タイ味の素はASEAN(東南アジア諸国連合)における最重要拠点として活動しており、データドリブン経営の実現や基幹システムの保守期限対応などを背景に、SAP S/4HANAへの移行やSAP Analytics Cloud、SAP Datasphereの導入を決めた。システム導入・開発は、アビームコンサルティングが行った。

 SAPジャパンによると、タイ味の素はSAP S/4HANAにあるデータをSAP Analytics CloudやSAP Datasphereに連携することで、それらデータを業績管理や分析に活用するのはもちろん、予算・見込みデータとも連携し、予測シミュレーション機能に生かしている。また、SAP S/4HANAへの移行に伴い、クラウド化とアドオン削減も実施したことで、維持運用コストも大幅に削減した。

 タイ味の素の竹井義博氏(IT担当 役員)は「優先順位を付けてプロジェクトを推進した結果、2023年4月から日々のオペレーションや月次決算、月次見込みをシステム化できました。また、SAPを含めて、システムのクラウド活用をさらに促進したことで、運用コストを約40%も削減できました。今後はデータドリブン経営を着実に浸透させるために、システムを理想形に近づけながら、新経営情報分析基盤を生かしたデータ活用や経営判断に資するダッシュボードの提供などを進めていきます」とコメントしている。

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