NetSuiteは他ERPと何が違うのか カントリーマネジャーが語ったSuiteWorld 2023開催

NetSuiteの強みを知れば自社に合っているか分かるはずだ。年次イベント「Oracle SuiteWorld 2023」のメディアラウンドテーブルを基に、NetSuiteの強みを紹介する。

» 2023年10月18日 15時50分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 「クラウド活用の拡大という背景もあり、日本社会でもクラウドERPを導入する企業が増えている。企業が収益の増加と効率性の向上を実現する上で、『Oracle NetSuite』(以下、NetSuite)の活用は非常に有効だ」

Oracle NetSuiteの渋谷由貴氏

 このように話すのはOracle NetSuiteの渋谷由貴氏(カントリーマネジャー)だ。数あるERPの中で、NetSuiteはどのような特徴を持つのだろうか。本稿では、Oracleが2023年10月16〜19日で開催している年次イベント「Oracle SuiteWorld 2023」の中のメディアラウンドテーブルから、NetSuiteの強みを紹介する。

NetSuiteの強みとAIへの取り組み

 渋谷氏は説明の冒頭に図1を示し、「国内のERP市場は年々拡大しており、今後も続くことが見込まれる。ERP導入が遅れていたとされる製造や流通といった業界でも活用が広がっている」と日本市場を解説した。

図1 国内ERP市場動向(筆者撮影)

 同氏によると、NetSuiteは「インフレや円安への対応」「複数の未来予測を基にしたシナリオの策定」「キャッシュフローの管理」といった特徴を持つ。

 「NetSuiteは収益と効率に重きを置いている。日本企業のイノベーションを支える基盤になる」(渋谷氏)

 現在、世界では約3万7000社がNetSuiteを導入しており、日本でも導入企業が増えている。導入企業を増やすためにOracle NetSuiteが注力している取り組みがパートナーエコシステムの構築だ。これについて渋谷氏は「パートナー企業と伴走し、導入を支援できるチームをOracle NetSuiteとしても持っている。任せっきりにするのではなく、一緒に活動する」と話す。

 また、導入方法論の「NetSuite SuiteSuccess」(以下、SuiteSuccess)は、20年以上にわたって蓄積された世界中での導入から得られた経験と学習を一連の主要なプラクティスにパッケージ化しており、迅速な立ち上げと実行を可能にするという。

 また、NetSuiteの導入企業は中小企業からエンタープライズ規模の企業まで幅広く、その業種も小売りや製造、流通、金融など多岐にわたる。

 当然、日本国内には国内ベンダーがおり、そのような競合と市場で競争しているわけだが、差別化のポイントとして渋谷氏は「NetSuiteはクラウドベンダーであるOracleが提供しているという違いがある。海外でビジネスをする際やスケールしたいときなどに迅速に対応できる」と語る。

 海外に子会社がある、海外進出を考えているといった企業にとって、NetSuiteは他社にはない価値を提供できるというのが強みだ。

図2 事業展開の概要(筆者撮影)

NetSuiteを進化させるAI

Oracle NetSuiteのジェームズ・キスハム氏

 AI(人工知能)を使ったさまざまなサービスがリリースされている今日だが、NetSuiteも例外ではない。Oracle NetSuiteのジェームズ・キスハム氏(プロダクトバイスプレジデント)はNetSuiteのAI機能として「ドキュメント」「予測・予知」「言語」の3つを挙げる。

 ドキュメントには文書の自動分類や光学式文字認識(OCR)、帳票からデータ抽出などが、予測・予知にはインテリジェントインサイト、時系列予測、不正検知などが、言語には対話エクスペリエンス、テキスト分析、翻訳などが含まれる。

 NetSuiteには「導入する国の規制や商慣習への対応力が高い」という強みもある。キスハム氏は図3を示しながら「NetSuiteは日本の法令や税関係に対応し、高いレベルでのローカライゼーションも実現している。まさに日本企業のためのサービスといえる」と話す。

図3 日本の要件にも対応(筆者撮影)

 同氏によれば、24会計年度以降に日本でも資産管理サービスの「NetSuite Bank Feeds」、デジタルインボイスの運用を担う「E-Invoicing based on PEPPOL」、SuiteApp化された手形管理機能「Enhancing Tegata」が提供される予定だ。

 キスハム氏はこれらサービスについて「明確なタイミングはまだ決まっていないが、できるだけ早くリリースできるように取り組んでいる。ユーザーが本当にこれらを必要とするときにはリリースできるはずだ」とコメントした。

図4 24会計年度以降に追加される予定の新機能(筆者撮影)

(取材協力:日本オラクル)

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